鳥取砂丘は天然記念物
風景






10月9日のブログで鳥取砂丘について紹介しましたが、今回は第2段です。実は、山陰海岸国立公園は、東側は京都府の網野海岸から出発し、兵庫県北部の海岸線へと続き、西側は鳥取砂丘まで達するのです。何と全長75㎞にも及ぶのです。そして、鳥取砂丘は、地形の起伏の雄大さ、風紋、スリバチなどの多様で独特な砂丘地形が見られ、天然記念物に指定されているのです。
前回、鳥取県と聞いて思い浮かべるイメージNO.1は鳥取砂丘だと紹介しました。「広!広!広!広いやん、広!」ではありませんが、鳥取砂丘を初めて訪れた観光客の第一印象は、砂丘の景観の雄大さに違いありません。しかし、よくよく考えてみれば、鳥取砂丘を目の前にして、そこにあるものは、「砂」と「海」と「空」と「風」だけです。こ・れ・だ・け、しかないのに、なぜ人々は鳥取砂丘に感動するのでしょうか。
それは、鳥取砂丘が持っている独特の砂丘地形が理由ではないかと思います。駐車場に車を置いて、鳥取砂丘の入り口から見渡すと、広々とした大きな空間の広がりに圧倒されます。この感動が「広!広!広!」なのです。
大きく広がる砂浜の遠くに目をやると、「馬の背」と呼ばれる標高約47mの砂の高まりが見えます。季節が冬場の大雪の時でないかぎり、観光客が馬の背を登っている姿が気になってきます。「あの砂山の麓までは、緩やかな傾斜なので、そんなに大変ではなさそうだぞ。よーし、せっかく初めて鳥取砂丘に来たのだから、あの砂山の上まで登ってみたいな。それに、海が砂山の上に少しだけ見えているけど、頂上から海を眺めるとどんな景色が見られるのかな。」
おそらくは、初めて見た鳥取砂丘の第一印象から、多くの人はこのようなことを思い巡らし、馬の背をめざして歩き始めるのではないでしょうか。運が良ければ、馬の背の上空を鳥取砂丘コナン空港に向けて飛んでゆく全日空の飛行機を目にすることもできます。馬の背では、砂丘の入り口から眺めた景観とはまた違った絶景を堪能することができるのです。
今から30年程前に中国を旅する機会に恵まれました。唐の都、長安だった今の西安(シーアン)から飛行機に乗って約2時間、ゴビ砂漠の上空を飛び、万里の長城の最西端の嘉峪関(かよくかん)に降り立ちました。それからバスに揺られて8時間、敦煌の莫高窟を見学し、シルクロード随一の砂砂漠の景観を眺めることができる鳴沙山(めいさざん)に到着しました。生まれて初めてラクダに乗って、鳴沙山の麓についた頃には、食あたりのために下痢が激しく、目の前の砂山を登ることを断念しようと思いました。
しかし、心の声が叫びます。「おい君、ここにはもう二度と来ることはないよ。この砂山の上に広がる景色を見ないで帰るのかい。君のふるさとの鳥取砂丘の馬の背だったかな、あそこでも砂の風景は見ることができるけど、ここは違うよ。いいのかい。見ないのかい。後悔するよ。」
「よし、登るぞ!」意を決した私は、再度、トイレに行き、お腹の中を空っぽにしました。それから、一歩、一歩と登り始めたのですが、なかなか登れないのです。鳴沙山の高さは、馬の背よりは高くは見えましたが、登れない砂山だとは感じませんでした。しかし、砂丘の砂質とは違って、鳴沙山の砂は小麦粉のような手触りの砂質で超微細なのです。だから、砂の上に足を乗せると、ずるずるずる、と滑り落ちてしまい、登っているという感覚が得られないのです。
「困ったな、どうしよう。あ!そうだ。馬の背と同じやり方をすればよいかもしれないぞ。先に登った人の足跡の上に自分の足を乗せながら登ってみよう。」このやり方が功を奏し、なんとか頂上まで登り切ることができました。
鳴沙山の頂上から見た景色は、今も鮮やかに心の中に蘇らせることができます。どこまでも、どこまでも、延々と砂山が連なっているのです。これこそが砂漠なんだ!
話がそれてきました。私は鳴沙山と比較して鳥取砂丘の景観が劣っていると言いたいのではありません。膨大な時間と慣れない食事のために体調不良を起こすかもしれない危険を冒してまで中国の奥地の砂漠を見るよりは、JR鳥取駅からわずか十数分で見ることのできる鳥取砂丘の方が、安心安全で雄大な砂丘の雰囲気を味わうには十分すぎるくらい十分だと思います。鳥取砂丘には、ラクダだっています。こっちの方が、楽だ!今回はここまでです。最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
*中国の奥地の広大な砂漠から強風に煽られて舞い上がった砂が「黄砂」となって気流に運ばれて日本にもやってきます。鳴沙山の砂に触るまでは「砂漠の砂がはるばると飛んでくるなんて、本当かな?と疑問視していましたが、この体験をしてからは納得しています。春になって黄砂のシーズンが到来すると、懐かしい中国旅行の思い出が蘇ってくるのです。
