農家民宿 梨楽庵ブログ

令和7年の365

梨楽庵

  謹賀新年 あけましておめでとうございます 

今年は巳(み)年です。Please love me!ヘビは脱皮を繰り返して成長します。なので、巳年は再生や復活を意味するそうです。昨年の反省点を分析し、今年は新たな成長をめざして進んでいきたいですね

新しいものをつくることも大切ですが、今あるものを見つめなおして、リニューアルに挑戦していきたいです

  「朝の空を見上げて」、出だしのワンフレーズを聴くだけでこの曲名を多くの人が即答できるでしょう。平成27年度(2015)後期のNHK朝の連続テレビドラマ「あさが来た」の主題歌です。AKB48が歌い、またたく間に人々の心を虜にしたのです。この曲は私のお気に入りの一曲となり、CDの発売直後には早速購入し、マイカーの中で繰り返し聞いていました。

 この曲名は「365日の紙飛行機」なのですが、曲名を初めて聞いたときから、「変わった曲名だなあ」と思いながら、何度か聞いていました。すると、ある日、突然、私が子どもの頃に流行していた曲が浮かんできたのです。その曲とは、新人歌手の水前寺清子が歌っていた「365歩のマーチ」でした。この歌は大ヒットし、水前寺清子は一躍人気歌手の仲間入りをしていきました。

 365歩のマーチは売れっ子の作曲家星野哲郎と作詞家の米山政夫のコンビで製作した名曲です。歌詞を一部紹介すると、「しあわせは 歩いてこない だから歩いて ゆくんだね 一日一歩 三日で三歩 三歩進んで 二歩下がる 人生は ワン・ツー・パンチ(中略)腕を振って 足をあげて ワン・ツー・ワン・ツー 休まないで歩け 」

 当時は日本が高度経済成長の真っ只中にあり、日本全国が好景気で活力に溢れていた時代でした。若くて、はつらつとして、軽快で、歌詞にあるようにパンチの効いた新人歌手の歌声は、戦後の日本の復興のために一生懸命に働いていた人々の心に響き渡ったのです。毎日のようにテレビに出演し、明るい笑顔で歌っている水前寺清子の名前と「365歩のマーチ」は、子どもの私の脳裏にもはっきりと焼き付けられ、バックボーンの一つになったのです。

 「365日の紙飛行機」と「365歩のマーチ」では、歌詞とメロディーから伝わる雰囲気には違いがあるように感じられます。「365日の紙飛行機」には、次のようなフレーズもあります。「時には雨も降って 涙も溢れるけど 思い通りにならない日には 明日がんばろう」「元気がでない そんな時には 誰かと話そう」

 上り坂はつらいけど、歯を食いしばり、休まないで歩いていけば夢をつかみ取ることができた高度経済成長期とは違って、平成も後半になると、過度のストレス社会に巻き込まれ、大人も子供も、もがき苦しむようになったのです。人生をワン・ツー・パンチの気持ちだけでは乗り切れない悩み多き時代に突入したのです。

 平成から令和に年号が変わったとき、人々は大きな災害がなくなり、穏やかな日々が訪れることを強く願ったのです。しかし、それもつかの間、新型コロナ感染症が世界中で猛威を振るい、ごく普通の生活を送ることさえ困難な3年間が訪れました。

 ようやく新型コロナ感染症が収束し始めたにも関わらず、世界は平穏になるどころか、二度の世界大戦を経て、人類が激論を闘わせて願い求めてきた「平和な世界像」とはほど遠い所へ向かおうとしています。国内でも社会の様々な分野で不祥事が噴出し対策に苦慮しています。

 今の時代をどのような姿勢で前に進んでゆけばいいのでしょうか。途方に暮れるばかりで、明快な回答は誰も持ち合わせていないのかもしれません。しかし、何もしないでただ待っているだけでは、しあわせはやってはきません。だからこそ、自分から進んでつかむ根性がいるのだと思います。

 つかみとるには、ワン・ツー・パンチの気迫が必要です。でも、でも、……やっぱり、心が折れそうになって、疲れて元気がでない日もあります。そんな時には、誰かと語り合って元気をもらうことも必要なのです。リモートやSNS上では人の肌感覚は伝わりません。生身の声の掛け合いがやっぱり必要なのです。思いやりのある言葉には奇跡的な蘇生力あるのですから。

 一世を風靡した異なる時代の流行歌は、混迷した今の時代を生き抜く生き方を示唆しているように感じます。分断や対立が声高に叫ばれ、相手を批判し非難することで自分が優位に立っているような錯覚に陥ることの危険性に気づくことが、今、最も大切ではないかと感じています。できることならば、自分が良かれと思ってなすべきことが他者の喜びとなるような生き方をしていきたいものです。

 明けましておめでとうございます。令和7年の365日が始まりました。本年も梨楽庵をお引き立ての程、よろしくお願い申し上げます。