スイッチ・オン
梨楽庵

八朔が大きく成長しています。収穫時期は1月中旬です
「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、6月上旬の梅雨明け以降は降雨不足と酷暑続きで、心も体もグッタリとして、なかなか気力が高まりにくい日々でした。数日前からようやく朝晩の気温が下がり、過ごしやすくなってきました。
しかし、快晴の日は「爽やかな秋晴れ」というよりは夏日に戻ったような暑さが感じられます。まだまだ日中は気力も思考力も減退するのですが、こんな時だからこそ、人間の不思議な力についてご紹介し、自分も元気を頂こうと思います。
4年前に85歳で天寿を全うされた遺伝子工学の世界的な権威だった村上和雄さんをご存知でしょうか。世界に先駆けて「ヒト・レニン」遺伝子の解読やイネゲノムの解読などの業績をお持ちの博士です。「眠っている遺伝子を“スイッチ・オン”にすれば私たちの可能性は大きく広がるのです」と、提唱し、全国各地で講演をされていました。
村上博士によると、私たちの体は約60兆個の細胞からできていて、その細胞の一個一個の核の中には染色体があり、その染色体をほどいてみると、その中には約30億の膨大な遺伝子の暗号が隠されており、そのうちのタンパク質をつくる情報に関する部分を遺伝子と呼んでいるのですが、98%は眠っているそうです。
この眠った状態の98%が私たちの潜在能力の遺伝子だそうです。村上博士は、この世界に存在するであろうサムシング グレート(Something Great)という不思議な力は、全ての人に遺伝子でチャンスを与えていると主張されていました。
実は3歳までの子どもの遺伝子はほとんどがオン状態だそうです。しかし、年齢を重ねる毎に、周囲から与えられる知識によって「自分にはできない」と思い込み、しだいに遺伝子をオフ状態にしてしまうそうです。そして、いつの間にか、98%を眠りに着かせ、できない自分に劣等感を感じているのだと説明されていました。
村上博士は、眠っている98%の遺伝子をオンにすれば、私たちの可能性は広がると力説されました。では、どうしたら良い遺伝子をスイッチ・オンできるのでしょうか。その条件は、次の8つだそうです。
1.どんなときも明るく前向きに考えること
2.人との出会いや機会との遭遇を大切にすること
3.感動すること
4.感謝すること
5.世のため人のためを考えて行動し、志を持って生
きること
6.多くの人と共感すること
7.こころから笑うこと
8.見えない偉大な仕組み・存在(サムシング
グレート)への畏敬の気持ちをもつこと
この話を知ったとき、これは子どもたちの教育に必要なことだと感じました。村上博士の言葉を子どもたちには、次のように置き換えて伝えることができます。
「明るく前向きに、友だちとの出会いを大切にし、感動する心と感謝の心を持ち、学級のためや友だちのために行動し、目標を持って学校生活を送り、学級の仲間と喜びを分かち合い、楽しいときには思いっきり笑い合い、この世に命を授けてくれた不思議な力をうやまいながら生きていくこと、このことが一番大切な生き方なんですよ」と。
本気になったら、だれもが取り組めることがらです。しかし、大人も子どもも多くの人が時間に追われ超多忙な毎日を過ごす中では、村上博士の言葉は耳に入らないのかもしれません。
さらには、大切なことこそ簡単なことなのに、簡単なことは重要なことではないと軽視し、自らがスイッチをオフにしてしまっていることにも気が付いていないのかもしれません。
一人の人間がこの世に生まれる確率は、一億円の宝くじに100万回挑戦してやっと当たるくらいの確率だと言われています。全国各地の子どもたちには、そんなにも少ない確率で誕生した自分の命を8つの心がけでスイッチ・オンし、秘められた可能性を大いに発揮してほしいです。
今年も4月~6月にかけて大阪府や兵庫県から修学旅行生が民泊で梨楽庵を利用してくれました。幸い天候に恵まれ、農園では農作物の収穫体験をし、短時間でしたが、倉吉市内や湯梨浜町内の観光名所を訪れました。
山と海が近くにあって豊かな自然とふれ合う中で、鳥取県の良さを感じてくれたようです。梨楽庵で出会わせていただいた中学生たちがこのブログを読んで、スイッチ・オンして自分に与えられた可能性の芽をゆっくりと育ててくれることを願っています。

*ブログをまとめながら、私自身がスイッチ・オフにしてきた過去の時間に思いを巡らせたとき、10代の頃に村上博士の言葉と出合っていたら良かったのにと、少し後悔しています。
