大風呂敷
風景

鳥取県を訪れて観光地を巡って帰路に就くとき、県内の主要駅の鳥取駅、倉吉駅、米子駅のお土産屋さんや観光名所のお土産屋さんに立ち寄ると、鳥取県の5大銘菓が目に飛び込みます。それらは、「因幡の白うさぎ」「打吹公園だんご」「ふろしきまんじゅう」壽城の「とち餅」「大風呂敷」です。
5大銘菓と名付けたのは私の独断であり、県内にある多くの和菓子や洋菓子、伝統的なせんべい等を製造しておられるメーカーさんからはお叱りを受けるかもしれません。5大としたのは、老舗メーカーであることと、主要なお土産屋さんの店頭には、ほぼ間違いなく並べられている商品の意味も込めています。
「大風呂敷」を製造している宝製菓の本社は、鳥取県東伯郡琴浦町にあります。今から78年前の1947年(昭和22年)創業の老舗です。社名の宝は旧字では“寶”と書きます。創業の地の小字(こあざ)名が社名となっています。
宝製菓を代表する商品は「大風呂敷」です。一昨年、2万3千人のフードアナリストによる日本で最初の食品食材の審査・認証制度の「ジャパンフードセレクション」が開催され、見事“金賞”を受賞されたのです。
審査員のコメントは絶賛の山でした。「オリジナリティのある梨みつのすっきりとした甘さと、梨の香りが非常によい」「もっちりとした食感と餅に練りこまれた味噌で甘塩っぱい味わいとコクがある」「鳥取県産の材料を使い、地産地消の特徴的な商品になっている」「楊枝付きで、餅も一口大にカットされているので、食べやすく工夫されている」「食べる際にきな粉がこぼれないように考えられたパッケージが素晴らしい」「ひとつひとつが風呂敷に包まれた見た目の面白さと可愛さが良い」「他では見ない梨みつを使用していて、顧客マネジメントがしっかりしている」

5個入りの「大風呂敷」です

二十世紀梨が原料の梨みつと楊枝が添えてあります

パッケージはきな粉がこぼれない工夫がされています

「大風呂敷」をブログで紹介するために商品を購入し、パッケージを観察し、久しぶりに郷土の銘菓を口にしました。やっぱり、美味しいです。銘菓であることは間違いありません。
何とか感想を自分の言葉で表現しようとしましたが、基礎的なデーターを調べるために宝製菓のホームページを開いたとき、上記の審査員の講評を読んでしまったために書けなくなってしまいました。さすがはプロの審査員です。視点、着眼点が鋭いです。
大風呂敷のデザインには、日本人に最も人気のある唐草模様を取り入れています。調べてみると風呂敷の歴史は古く、今から1300年以上も前の奈良時代の頃に風呂敷のような道具が使われるようになったと言われています。

「包む」という行為には、ものを大切にし、心を込めて扱うという意味があります。そして、「包」という文字は、お母さんのお腹の中に赤ちゃんがいる状態を表し、大切な赤ちゃんをお母さんの体でやさしく包み込んでいる様子から、「包む」という言葉が生まれました。
「大風呂敷」の風呂敷の結び目を解くと、紙箱のパッケージが現れ、「大風呂敷」製造の由来が次のように書かれていました。
ここ山陰地方では昔より祝言を始めとして“慶び”ごとある時には必ず木綿地に家紋を染めぬいた大風呂敷を用意して祝う習わしがありました。しかし、今はこの大風呂敷も善き語り草となり、懐かしい想い出の一つとなりました。
私共は、いま珍重されているこの大風呂敷に因み山陰の「旅の思い出」にと伯州糯米(もちごめ)を餅にして、地域特産の香り高い梨の蜜を添え、銘菓「大風呂敷」として心こめ謹製しました。慶び多い「口福」と「幸福」をねがいお届け致します。 ―宝製菓―
お菓子という誰からも愛される宝物を生み出す場所として、古くから伝わる地名の「寶」を社名にする発想といい、日本の伝統文化の「包む」行為を菓名にする着想といい、創業者の河越行三氏は偉大です。
鳥取県を旅先に選ばれた旅行客の皆様、旅の思い出に「大風呂敷」をお買い求めになってはいかがでしょうか。
*「因幡の白うさぎ」(5月17日)「打吹公園だんご」(6月21日)「ふろしきまんじゅう」(8月17日)壽城の「とち餅」(9月21日)は、すでにブログで紹介していますのでご覧ください。
