農家民宿 梨楽庵ブログ

伯耆国と出雲国は鉄の一大文化圏①

梨楽庵

    「和鋼博物館」(島根県安来市)

 令和6年11月4日(月)、この日は雲一つない青空が広がり、絶好の行楽日和でした。たたら製鉄探求の初日は、島根県安来市にある「和鋼(わこう)博物館が目的地でした。和鋼博物館は山陰自動車道安来ICを下りて、左手に安来高校を見ながら直進すると、伯太川に突き当たります。

 右折して市街地へ向かい安来港方面に行くと、10分ほどで到着します。和鋼博物館は日立金属株式会社が運営していましたが、その後、安来市に移管され、現在は安来市教育委員会が管理運営されています。

 和鋼博物館は風格のある立派な建物でした。パンフレットを見ると、公共建築部門の部で、第1回しまね景観賞を受賞していました。中学校で部活動の顧問をしていた頃、安来市には大会や練習試合で何度も来ていたにも関わらず、和鋼博物館の存在を私は全く知りませんでした。興味関心を持つかもたないかで、すぐ目の前に存在しているのに、見えている人もいれば見えていない人もいることを改めて実感しました。

 和鋼博物館では充実した学習ができました。たたら製鉄に関する実物の展示物、映像資料、パネル資料などワクワクしながら見学することができました。日本刀を実際に手にしたのは初めての体験でした。参考資料としてたたら関係のパンフレットを調べてみると、奥出雲にはたたら製鉄関係の見学先がたくさんあることがわかりました。

 鳥取県立図書館で調べている時、伯耆国の最大のたたら経営者は、鳥取県日野町根雨の近藤家であることを知りました。根雨は鳥取県の県の鳥「オシドリ」の飛来地として有名です。日野川沿いには「オシドリ観察小屋」が設けられていて、初冬になると毎年ニュースで取り上げられています。

 ずーと前から一度訪ねてみたいと思っていたので、第2回たたら探求の旅は、鳥取県内でありながら一度も出かけたことのない日野町と日南町経由で、県境を越えて奥出雲町に入るコース設定をしました。

 11月8日(金)この日も爽やかな青空が広がる行楽日和でした。ブログに写真を掲載することが常に念頭にありますので、取材日は週間天気予報を見ながら決めています。根雨に到着後は、オシドリ観察小屋に向かいました。残念ながら、大部分のオシドリは川向こうの方で休憩していました。職員さんに尋ねると、観察するには早朝か夕方がよいとのことでした。肉眼では見えにくかったのですが、望遠鏡が数台設置されているので、レンズ越しですが、オシドリの色鮮やかな姿を観察することができました。

こんな様子を見てみたいなあ…。(パンフレットより)

なんでこんなに仲が良いのでしょうか(パンフレットより)

 オシドリ小屋を後にして、近藤家を訪ねました。邸宅内は一般公開されていなかったので見学することはできませんでしたが、大邸宅の外観を眺めることはできました。すぐ傍らには、「たたらの楽校(がっこう)根雨楽舎」がありましたが、平日は閉館で週末も事前予約が必要なので見学することはできませんでした。

 もうすでにお昼近くになっていたので、一路、奥出雲に向かうことにしました。日野川に沿って日野町から日南町へと車を走らせたのですが、この地域の谷は深く、所々に水力発電所を見かけました。標識はあるのですが、初めて通る道なので不安でしたが、何とか県境越えをして出雲横田駅前に無事に到着することができました。

 時刻は午後1時半を過ぎていました。奥出雲町は「そば処」なので、昼食は老舗の蕎麦屋さんで腹ごしらえをしました。昼食後は、「奥出雲たたらと刀剣館」を見学しました。ここでもたたら製鉄関係の実物展示資料やパネル資料、映像資料が充実していて満足感一杯でした。特に復元された「たたら炉の地下構造」は圧巻でした。

      「奥出雲たたらと刀剣館」

 この日の最後の見学先は、「絲原家記念館と絲原家住宅」でした。絲原家は「松江藩鉄師御三家」の一つで、たたら製鉄の大経営者でした。訪ねるまで絲原家については全く無知でした。記念館と住宅と庭園を巡るにつれて、たたら経営者の圧倒的な財力と日本文化への関心の深さに圧倒されました。

       絲原家は「松江藩鉄師御三家」の一つです

 見学を終えると、午後4時を過ぎていました。暗くなる前に帰宅する予定でしたが、全く予定通りにはいきませんでした。安全運転を心がけて帰路につきました。帰宅したのは午後7時前になっていました。松江自動車道から山陰自動車道に入った頃はすでに真っ暗闇でしたが、なんとか無事に帰宅できて一安心しました。

 ところが、ところが、です。翌朝、ブログ作成のためにパソコンを開いて見ると、SDカードが反応しないのです。使い回してきたSDカードだったので、壊れてしまったのかもしれません。頭の中が真っ白になりましたが、どうしようもありません。数時間が経ってようやく心が落ち着き、後日、再挑戦することにしました。たたら探求第3回目はリベンジの一人旅となりました。