山陰海岸ジオパーク(勝部地区①)
風景

鳥取市青谷町にある「御滝山 “不動滝霊場”」
ジオパークに指定されている兵庫県北部の但馬地区について4回連続で紹介しました。今回は地元にもどり、新たなジオスポット「勝部地区」を紹介します。鳥取市青谷町内のジオスポットについては、すでに“長尾鼻”と“夏泊海岸”で紹介していますが、町内にはまだまだ見所があるのです。
勝部地区は鳥取市青谷町の山間部にある6つの集落の地区名です。現在、青谷町は平成の大合併により鳥取市の行政区域に含まれています。合併前は因幡国の最も西側に位置する単独の町でした。峠を越えると、すぐ西隣には合併前の泊村(現在の湯梨浜町)があり、青谷と泊は因幡国と伯耆国の境界に位置していました。

勝部地区のジオスポットも、長尾鼻や夏泊海岸と同じく、約160万年前に鳥取県中部の中国山地付近にあった火山の大噴火による溶岩流が形成したものです。日本海に流れ出る途中の台地状の溶岩地形が勝部地区周辺の地形を形作っています。

赤い四角の範囲が「勝部地区」です
鳥取市青谷町内の溶岩は主に“安山岩”です。鉢伏山(標高513.9m)付近が約250mと最も厚く分布しているので、“鉢伏山板状(はちぶせやまばんじょう)安山岩”と名付けられています。板状の割れ目(板状節理)が発達しているのが特徴です。
火山の噴火によって流れ出た膨大な量の溶岩は、日本海に向けてゆっくりと流れ下り、当時の大地を埋め尽くしました。溶岩が冷え固まった後は、長い時間をかけて溶岩の周辺部が浸食され、現在の谷になったと考えられています。
硬くて浸食されにくい安山岩の溶岩は、海抜200m~300mのなだらかな台地状の地形を形成しました。その後、台地の上を流れる小規模な河川は、急峻な崖の所では滝となり流れ落ちたのです。勝部地区には3つの滝があり、古くから霊場として知られ、信仰の対象となっています。
青谷に“不動滝”という有名な滝があることは聞き知っていて、数十年前に一度だけ訪れたことがありました。今回はジオパークに導かれ、取材のために訪れました。梨楽庵からは車でわずか20分ほどです。無料駐車場のすぐ目の前が不動滝です。
不動滝は3つの滝の中心的な滝で、“一ノ滝”と呼ばれています。今夏は日照り続きだったので、水量が少なく感じられました。しかし、滝のまわりは切り立った安山岩の岩壁と巨石に囲まれ、推定樹齢300年の巨木のヒノキや鬱蒼とした広葉樹に覆われ、まさに神域でした。

不動滝は確かに神域の雰囲気が漂っていました
“湯原滝”は不動滝から徒歩約5分で到着します。不動滝前の道路を2分ほど歩いて上ると湯原滝と“妙円滝”の入り口の表示があります。そこから遊歩道をしばらく歩いて下ると湯原滝に到着します。湯原滝は水量も多く、鬱蒼とした樹木におおわれた空間は、霊場の雰囲気を醸し出していました。

湯原滝を見ていると心が洗われるように感じました
“妙円滝”にも行きたかったのですが、遊歩道には樹木が生い茂り、立ち入り禁止となっていました。何とか見えないものかと入口の表示があった場所にもどり、坂道を登って行くと、谷間の樹木の間から水が流れ落ちていました。妙円滝だと思われますが、樹木に覆われ、滝だとは断定できませんでした。

立ち入り禁止が解除されたら眺めてみたいです

妙円滝です。ジオパーク協議会の資料から転載しました
( 次号へ続きます )
