農家民宿 梨楽庵ブログ

山陰海岸ジオパーク(長尾鼻)

風景

海に突き出た半島が長尾鼻(ながおばな)西側からの景観です

 鳥取市方面(東側)から見た長尾鼻(約2㎞)

 山陰海岸ジオパークについては、7月29日のブログで紹介しましたが、再度、紹介させていただきます。山陰海岸ジオパークとは、鳥取県と兵庫県と京都府にまたがる山陰海岸国立公園とその周辺からなるジオパークのことです。

 山陰海岸ジオパークは、昨年9月に第9回ユネスコ世界ジオパーク・カウンシルで審議され、2028年まで“世界ジオパーク”として継続することが決定しました。

 ジオパークとは、科学的に見て特別に重要で貴重な美しい地質遺産を含む自然公園のことです。ジオパークは自然遺産を保護するだけでなく、その地域で行われているガイドの育成や地域振興策などの継続的な活動も重視されていて、4年に1度の見直しがされています。鳥取県内では、浦富海岸地域と鳥取砂丘地域と浜村から青谷にかけての地域が認定されています。

 鳥取県、兵庫県、京都府の北部地域が指定区域

 今回のブログでは、山陰海岸ジオパークの景勝地、長尾鼻(ながおばな)を紹介します。長尾鼻(ながおばな)は鳥取市青谷町と鳥取市気高町の境界にある岬のことです。岬の先端部が鳥の長い尾羽の形に似ていることから名付けられました。(注1)

 この岬をつくる岩石は、約160万年前の火山噴火による安山岩の溶岩です。大噴火によって大量の溶岩流が北に位置する日本海に向かって流れ出し、広大な台地状の地形が形成されました。

 想像を絶する膨大な量の溶岩が流れ出たのです

 長尾鼻の周囲は日本海の荒波に浸食された海食崖(かいしょくがい)が連続し、雄大な絶景が見られます。初めて訪れた人は間違いなくこの景観に圧倒されます。70m以上もの断崖絶壁の場所もあり、福井県の東尋坊を訪れた人なら、きっと「長尾鼻は鳥取の東尋坊かも」と思われるに違いありません。

 日本海の荒波に削られた断崖絶壁の岩石海岸です

 この場に来ると、大自然の迫力に圧倒されます

  地球が丸いことを感じとることができます

 こんなに透き通った海の水は初めて見ました

 西に目をやると、伯耆富士「大山」が見えます

 長尾鼻の岬一帯は豊富な魚種に恵まれていて釣り人の憧れの名所として有名です。なので、釣り人はアクセスに悩むことはないのですが、絶景のみの見学者にとっては道順が分かりにくいことが難点ですので、少し説明します。

 長尾鼻は知る人ぞ知る釣り人の憧れの地です

 日本海沿いの国道9号線を青谷町から鳥取市に向かって走っていると、坂道を登り切った左手に「西因幡県立自然公園」の入り口の標柱が見えてきます。鳥取市方面から来た人は右手に標柱が見えます。

 国道から岬へとつながる一本道を走っていると、途中で分かれ道があります。左側の道を進んでしばらくすると空き地があり、そこが長尾鼻の有料駐車場となっています。国道からは3分程度で到着します。

 釣り人は有料ですが、写真撮影だけなら無料です。ただし、気を付けなければならないことが二つあります。一つ目は、農道は道幅が狭くて普通車の場合は対向車が来たときはすれ違いがとても困難です。

 安全面を考慮すれば、軽トラックか軽自動車がお勧めです。二つ目は、長尾鼻は断崖絶壁の場所なので一人で行くのは大変危険です。観光ボランティアの方などに依頼されるのが安心安全です。

 長尾鼻駐車場からはすぐ近くに長尾鼻灯台が見えます。案内板には次のように説明されていました。「因幡国鳥取県のほぼ中央部に位置する長尾鼻は、その断崖の上から東に鳥取砂丘、西に伯耆富士大山の雄姿、そして日本海に浮かぶ隠岐ノ島を通して“地球の丸さ”を感じさせる水平線が一望できる素晴らしい場所として知られています。

 灯台は昭和28年(1953年)3月31日に海上保安庁により設置点灯され、その当時は職員が家族と共にここに居住して灯台を保守していましたが、昭和43年(1968年)の無人化、平成2年(1990年)の大幅な改修工事による機器の自動化等に伴い、現在は無線による監視と職員による定期的な巡回により維持管理されています」

 灯台守(とうだいもり)という言葉がありますが、昭和の時代までは全国各地の灯台は、海の安全を守る人たちの職場であり生活の場となっていたのです。案内板には光の届く距離が書かれていました。驚くことに、約39.8㎞も届くそうです。真夜中に操業する漁師さんたちにとっては灯台の光こそが命綱だったに違いありません。

 長尾鼻灯台です。昔は灯台守が生活していました

 鳥取県の東部地区を観光される方は、鳥取砂丘や砂の美術館を第一目的とし、浦富海岸へも足を運ばれる方もおられるでしょう。しかし、ジオパークに指定されているとしても長尾鼻を目的地とされる方は釣り人以外にはおられないと思います。

 私自身が長尾鼻という地名は知っていながら、長い間訪れたことのない場所でした。しかし、30数年前に初めて訪れた時、長尾鼻の断崖絶壁の景観に圧倒されたのです。その後も数回訪れましたが、昨年、ブログ取材のために愛車の軽トラを走らせました。

 長尾鼻には灯台があります。“灯台下暗し”ということわざがありますが、年齢を重ねるごとに、なぜかこの言葉が胸に響いてきます。私たちの目はなぜか遠くにあるものにばかり目が行ってしまい、身近な所に宝物があるにも関わらず、気が付かないままなのです。

 ブログ取材を通して、これからも身近な宝物を探していこうと思います。

(注1)鼻・崎・岬について…一般的に、海に面した場所で、山が突き出た地形を“鼻”と呼び、陸地が海に突き出た場所を“崎”と呼んでいるようです。少し長い距離を突き出た地形を“鼻”、短めの所を“崎”と名付けているようです。全国的にみると、地域によって違いもあるようですが、多くは漁業が盛んな地域で鼻とか崎と呼ばれているようです。岬は突き出方が鼻よりも突出している地形に名付けられているようですが、明確な基準はないようです。