農家民宿 梨楽庵ブログ

亀井堂のショックパン

風景

 亀井堂の直営店です。一歩中に入ると、玉手箱!

  目移りしそうなほど、豊富な品揃えです

 なぜこの人ともっと早く出会っていなかったのだろうか。出会っていたら、もっと人生に彩りが添えられていたかもしれないのに…。そんな思いを誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。この人とは、男性や女性に限りません。旅先で見つけた景勝地や本や物との出合いにも言えることです。

 私は昭和30年代生まれです。主に梨と米を栽培していた農家の息子なので、子ども時代は家庭での食事はご飯が中心でした。朝食にパンを食べた記憶は限りなくないと言えます。小学校に入学し、給食でパンを食べるようになったのが、パン食との最初の出合いだったように覚えています。

 パン食の一番の思い出は、1970年に大阪で万国博覧会が開催されたとき、大阪の叔父のアパートに家族で宿泊し、朝食で食パンを食べたことです。時代は高度経済成長の真っただ中、叔父の家には、時間を設定し、焼きあがると食パンがポンと飛び出るパン焼き機があったのです。

 こんがりと焼きあがった食パンに、バターをつけて食べた時の美味しかったことは、今でも忘れることができない懐かしい思い出です。万博会場でチラッとだけ見た“月の石”よりも、バターが塗られた食パンの方が私の心に強烈な印象を与えたのです。

 大人になってからは、朝食で食パンを食べることもありましたが、教職に就いてからは、昼食は給食を食べます。給食は週に何回かはパン食なので、家庭の朝食は、ご飯が中心でした。時には、食パンも食べたくなるのですが、現職の頃は、それほど食パンにこだわりはなく、気が向いたときにスーパーで食パンを買って来て食べていました。

 そんな私が食パンに興味を持ったきっかけは、数年前から高級食パンが俄然脚光を浴びるようになったからです。私はグルメ人間ではありませんが、世間並みに美味しいと評判になっているものは食べてみたいものです。

 鳥取県内でも高級食パンが入手できると知ると買い求め、デパートやスーパーで販売されている各種の食パンも試していました。町中でパン屋さんを見かけると、このお店の食パンはどんな味なのかと、興味がわいてきて、ついつい買ってしまうのです。

 でも、最初の出合いでは、それなりにおいしいなあとは思うのですが、次も絶対にこの食パンを買いたい、とまでは思わなかったのです。そして、食パンに深いこだわりを持たないまま、気が向いたときに、これまでに食べたことのある食パンを買って、週に1,2回ほど朝食に食べるのが日常となっていました。

 令和5年9月にホームページを立ち上げ、愛する鳥取県を紹介するためにブログを書き始めました。これまでにいろいろな食材を「食の風景」として取り上げましたが、食パンについては触れていませんでした。全国には食パン通の方が無数におられます。私の心が動かないのに食パンについて触れることは不謹慎極まることだと考えていたからです。

 ところが、実はずっと以前から鳥取市内のお店のパンコーナーで見かける“亀井堂の食パン”が気になっていたのです。気になっていたのに、買って食べることはしませんでした。

  私の超お気に入りのゴールド食パンです

 その理由は、地元のパンメーカーとして亀井堂さんは超有名ですが、美味しい食パンは県外や大都会の有名なパン屋さんが作っているに違いない、という恐ろしい偏見を持っていたからです。

 偏見が正しいのか間違っているのか、買って食べてみないと判断できません。ある時、ついに、購入し朝食として挑戦したのです。驚きました。これまでに感じたことのない食感だったのです。

 オーブントースターで焼きあがった食パンの焼き色に大きな違いは見られないのですが、口に含んだときの食パンの美味しさがこれまでの食パンとは全く違うのです。食パン自体の美味しさが口の中に広がるのです。

    梨楽庵のジャム3姉妹とも相性が良いです

 冒頭で、なぜこの人ともっと早く出会っていなかったのだろうか。出会っていたら、もっと人生に彩りが添えられていたかもしれないのに…。と、おかしな表現をしましたが、なぜ亀井堂の食パンともっと早く出合っていなかったのか、その残念な思いをわかっていただきたくて、回りくどい言い方をしてしまったのです。お許しください。

 亀井堂の食パンは、私に衝撃を与えたのです。なので、タイトルを亀井堂の“ショック”パンとしたのです。情けないことに、食パンでも再び、灯台下暗し、をしてしまいました。地元に素晴らしいものがあるにも関わらず、心の目は遠くばかりを見つめていたのです。

 亀井堂は、今から122年前、明治36年創業の老舗中の老舗のパン屋さんです。鳥取市民で亀井堂の名前を知らない人はまずいないでしょう。食パン以外の看板商品は、“サンドイッチ”と“マイフライ”です。

 サンドイッチは、オリジナルのイチゴジャムとピーナッツバターが食パンに挟んであります。マイフライは、パンにあんこを挟んで油で揚げた揚げパンです。いずれも超ロングセラー商品です。なぜか懐かしい昭和の味覚を堪能できる逸品、一品?いや、二品です。

   超ロングセラーのサンドイッチです

  ピーナッツバターとイチゴジャムの食感が絶妙です

   これが二枚看板の“マイフライ”です

 一度食べたら、必ず、また食べたくなる味です

 亀井堂のパンは、鳥取市内のスーパーや道の駅のパンコーナーで購入できます。鳥取市徳尾の亀井堂本社の敷地内には直営店があります。豊富な品揃えですから、是非一度訪ねてみてはいかがでしょうか。

  特売品は目玉商品、直営店は隠れた穴場です

 亀井堂は鳥取市にあります。直営店の営業時間は 10:00~14:00(土曜と祝日は休業)