農家民宿 梨楽庵ブログ

ほめ達

梨楽庵

鳥取県内も大雪でした。梨楽庵も30㎝の積雪でした。

 これは何でしょう?霜が降りたキャベツです。

 クロガネモチの木です。冬には赤い実がなります。

 今から9年前の元日の某全国紙に「ほめ達」、すなわち、ほめる達人の記事が掲載されていました。月日が経っても私の心に強く刻み付けられています。しかし、「ほめ達」の記事を読んで感動したにも関わらず、いまだに「小言達人」を脱することができない自分が情けなくなります。記事には次のようなことが書かれていました。

 日本ほめる達人協会理事長の西村貴好さんは、10年前(2007年)に客を装い接客態度などを調べる会社を創業しました。飲食店や美容室などから依頼を受けると、早速調査を行い、20個良い点を見つけると悪い点はその5倍、つまり100個ほど見つけ、悪い点については証拠をつけてダメ出しを行っていました。しかし、反応は思わしくなく、依頼者の中には、「ここまできついことを書くのか」と、不満を述べる人もあり、報告書の効果は芳しくない状況でした。 

 創業から2年半が経ったころ、焼き鳥店の調査依頼があり、スタッフを派遣し調査報告を受け取ると、手厳しい評価結果でした。西村さん自身もこの焼き鳥店を利用したことがあり、それほど悪い印象は受けていなかったことから、試みに、悪い点はそぎ落とし、良い点に焦点を当てて報告書を修正したのです。

 一人のアルバイト女性については、「食材の産地について答えられないことは厨房に確認し回答した。誠実な対応に好感が持てました。」と修正し、知識不足を指摘するのではなく、確認に走ったことを前向きにとらえ、「丁寧な仕事ぶり」と評価したのです。焼き鳥店では動きが遅いとマイナスの評価をされていたその女性は、自信を持ち、働きぶりにスピード感が表れ、失敗を重ねた経験を生かし、その後、焼き鳥店のチェーン店の100人以上の中で最優秀アルバイトに選ばれたのです。

 このことがきっかけとなり、西村さんはダメ出しを押さえ、良い点は全て報告書に記入し、悪い点は1,2個に絞り、ほめる調査へと方向転換したのです。すると、他にも業績アップにつながる事例が続いたのでした。「ほめることの効果をもっと生かせないのか」、悩んだ結果、「ほめ達」の協会を設立し、ほめ達を広める活動を開始したのです。2010年に、ほめ達検定を始め、全国に広がった「ほめ達検定合格者」は、今では2万3千人以上いるそうです。記事の要旨は以上ですが、調べて見ると、現在、「ほめ達検定3級合格者」は何と7万人以上いるそうです。西村さんの取り組みは大きく広がっているのです。

 記事を読み終えたとき、しばらく考え込んでしまいました。私たちは、職場では上司が部下を、同僚同士でも相手の良い点をほめ合うことが組織を伸ばし、活性化することを知っています。子育ての研修会では、子どもを伸ばすにはほめることが大切だと、講師の方は必ず力説されます。しかし、日常の場面では、叱ることが多く、ほめるに値することだと気づいても、「それぐらいは当たり前」だと判断し、ほめ言葉をかけることはなかなかしません。

 何に価値を見いだし、どんな場面に、どんなほめ方をするのが適切なのか。考えれば考えるほど、ほめることは難しいのです。だから、私たちは安易に叱ることで、部下や子どもを育てようとしているのかもしれません。叱ることを部下への「励まし」、叱ることを子どもへの「家庭教育」だと、勘違いしているのかもしれません。ほめることと叱ることのバランス感覚を身につけることは至難の業かもしれませんが、「ほめ達」の記事は、今後も折に触れて、読み返すことが必要だと感じています。