白銀の大山
風景
この日は米子市内の小学生や県外の高校生のスキー教室が開かれていました。
1月は降雪量が少なかったので、リフトが稼働していない場所もありました。
快晴時は日本海を見ながらスキーができます。
左側に見えるのが米子市街地、右側には日本海が、その奥には、うっすらと島根半島が見えます。
スキー場入り口は、緩斜面なので、初心者向けです。
鳥取県が誇る中国地方の最高峰「大山(だいせん)」は、恵まれた自然環境の中で、登山やキャンプやハイキングやバードウオッチングなど、四季折々に野外活動を楽しむことができます。冬は一般的に野外活動には不向きな季節ですが、西日本で最大規模のスキー場の設備がある大山では、スキーやスノボーなどのウィンタースポーツを存分に楽しむことができるのです。
大寒(だいかん)は1月20日でしたが、1月6日の小寒(しょうかん)から2月4日の立春までの約1ヶ月間が、一年で一番寒い時期だと言われています。この時期になると、ユーラシア大陸からの大寒波が日本列島の上空を覆い尽くし、日本海側を中心に大雪が降るのです。2016年には、鹿児島県の南の海上にある奄美大島で115年ぶりに雪が降ったというニュースが流れました。
令和に入ってからは暖冬傾向が続き、年末のスキー場開きの時には積雪がないことが増えています。昨年末には一度寒波が押し寄せたものの、安定した降雪がなく、スキー場は大変困っていました。ようやく、1月下旬の大寒波のおかげで、大山には1m以上の雪が降り積もり、週末を中心に多くのスキー客で賑わっているようです。スキーと言えば、次の文部省唱歌が浮かんできます。
山は白銀(しろがね) 朝日を浴びて すべるスキーの 風切る速さ
飛ぶは粉雪(こゆき)か 舞い立つ霧か おおおこの身も かけるよかける
歌『スキー』 作詞 時雨音羽 作曲 平井康三郎
私の子どもの頃は、スキー場まで行ってスキーをすることはありませんでした。家の周りに降り積もった雪を集めて斜面をつくり、その上をスキー場代わりにして安価なスキーで滑り、ソリに乗って遊んだりしたものでした。テレビ画面には、広々としたスキー場でスキー客がかっこよく急斜面を滑り降りている姿が映し出されています。私は羨ましそうにながめているだけでした。鳥取県に生まれ、近くに大山がありながら、スキーは私には遠い存在でした。
私がスキー場で本格的にスキーを楽しむきっかけとなったのは、私の姉の息子、つまり甥っ子がスキーをやってみたいと言い出したからです。鳥取に住んでいる私ならきっとスキーができるのではないか、息子に教えてほしいという姉からの依頼がきっかけでした。
本格的なスキーをやったことのない私は困ってしまいました。「滑れない」とは言いたくないし…。悩んだ結果、その年の冬休みの12月中にスキー場に出かけ、基礎を学び、正月に鳥取に帰省する甥っ子に指導しようという計画を立てたのです。「よーし、習うなら本場で学ぼう」奥さんに一緒に東北の「蔵王」へ行くことを懇願したのです。
蔵王スキー場に到着すると早速スキー学校に入校し、基礎を学びました。そのおかげで、正月には甥っ子にスキーを指導?することができたのです。このことがきっかけで、冬になると大山でスキーを楽しむのが趣味のひとつになったのです。
今では梨楽庵から大山スキー場へは、道路に圧雪がないときは、車で一時間以内に行くことができます。わざわざ九州や四国から何時間もかけて大山にやってくるスキー客もたくさんいます。大山でスキーを満喫してから梨楽庵でゆっくりとスキー談義を楽しむのも旅の良き思い出になるかもしれません。遠くに見渡せる米子の町や中海や日本海を見ながら滑り降りる気分は最高です。一度もスキーをやったことがない子どもたちも、大山へ行けば、必ずスキーが“大好きー”になると確信しています。今週末は三連休です。きっと多くのスキーヤーが大山をめざして押し寄せることでしょう。