農家民宿 梨楽庵ブログ

湯梨浜町は二十歳

梨楽庵

10月1日、湯梨浜町が二十歳の誕生日を迎えました

 

 町内には東郷湖の北側に「はわい温泉」があります

 町内には東郷湖の南側に「東郷温泉」があります

梨の栽培がさかんで、二十世紀梨は日本一の生産量です

  日本海に面して、砂「浜」が広がっています

 夏には海水浴客で賑わい、年中、サーファーもやってきています 

梨楽庵の裏の砂浜です。夏にはプライベートビーチになります

  奈良から来られたご家族が波乗りを楽しんでいます

うまく波に乗れる時もありますが、波にのまれるときもあります

   都会のプールでは味わえない楽しさがあります

浜にテントを張って、午前も午後も、何時間も家族で夏休みを満喫されていました

 これは「四ツ手網」で、東郷湖に伝わる独特の仕掛け網です。四隅に竹を張り、湖岸の小屋から滑車で上げ下ろして、エビや小ブナなどを獲る漁法です。最盛期は湖岸に20数基が並んでいたそうです。現在は、3基が観光用に残されて、東郷湖の風物詩の一つになっています

 こんな見事な「はでかけ」を見かけました。天日干しすると、おいしいお米になります

 平成16年(2004)10月1日、羽合町、東郷町、泊村が「平成の大合併」によって、私たちの故郷「湯梨浜町」が誕生しました。今年で20年目を迎えます。新しい町名も20年経つと体になじみ、親しみが感じられるようになりました。それは、湯梨浜町役場の職員の方々や町内の住民の方々のご尽力のおかげで、3つの旧町村が一つの自治体としてまとまってきたからだと思います。さらには、湯梨浜町の知名度も確実に高まっています。

 湯梨浜町の知名度が高まった要因の一つが、町名のわかりやすさです。町名を聞けば、どんな地域なのか、具体的なイメージが即座に浮かんできます。町内には「はわい温泉」と「東郷温泉」の2つの温泉、つまり「湯」があります。

 旧東郷地区は、二十世紀梨の日本一の産地です。合併当初と比べると、梨農家は減少していますが、現在も町内では各種の梨の栽培がさかんです。8月下旬の二十世紀梨の収穫を皮切りに、「新甘泉(しんかんせん)」や「王秋(おうしゅう)」「あたご」など、梨の収穫リレーが12月上旬まで続きます。間違いなく、この地は「梨」の名産地なのです。

 湯梨浜町の北側には、透明度の高いきれいな日本海が広がっています。町の西側を北に向かって流れる天神川(てんじんがわ)の河口から旧泊村にかけては、岩石海岸に挟まれながら、美しい砂「浜」が広がっています。夏には「浜」辺で海水浴を楽しむ家族連れの姿がたくさん見られます。近年は、年間を通して多くのサーファーが関西方面から訪れています。雄大な海に面した砂「浜」は、町民が誇れる貴重な宝物なのです。

 どうですか?実にわかりやすいと思いませんか。初めて町内を訪れた観光客の方から「湯梨浜町って、どんな町ですか?」と尋ねられても、湯梨浜町民は、町名をもとに簡単に説明することができるのです。

 さらには、全国的に有名な温泉地である「湯布院」「湯河原」などと同じ3文字の町名なので、音感的にも響きのよいことが知名度アップに効を奏したのだと私は考えています。

 湯梨浜町の最大の魅力は、風光明媚な自然景観です。町の中央部には周囲約12㎞の東郷池があります。大部分は平坦で歩きやすく、どの地点から眺めても魅力的な景観と出合えることができます。東側に小高い出雲山(いずもやま)がありますが、そこからの眺めは町内の絶景ポイントの一つです。何と驚くことに、全日本ノルディック・ウォーク連盟から公認コース全国第1号に認定されているのです。そのおかげで、年間を通して様々なウォーキングイベントが開催され、全国から多くのウオーカーが訪れています。

 すでにブログで紹介している日本で最大規模の中国庭園「燕趙園(えんちょうえん)」は旧東郷地区にあります。この地点から眺めた東郷池を中心とした周辺一帯の自然景観が素晴らしく、建設地決定の決め手になったのです。

 町の東に位置する旧泊村地区には、「潮風の丘とまり」があります。この地は、グラウンド・ゴルフの発祥地で、今や全国に約360万人もの愛好者がいる生涯スポーツとして人気を博しています。「潮風の丘とまり」では年間に約200もの大会が開催されているそうです。9月末には15か国から参加者があり、国際大会も開催されています。

「潮風の丘とまり」は町内の、いや鳥取県の絶景ポイントの一つです。西に目を向けると、伯耆富士「大山(だいせん)」を眺めることができます。北から東に目を移すと、日本海の青色と大空の青色が、ゆるやかに曲がった水平線で縁取られ、地球が球体であることを体感することもできます。ここではプレーを楽しむだけでなく、360度のパノラマ風景を楽しむ喜びもあるのです。だからこそ、全国のグラウンド・ゴルフの愛好家たちはこの地に何度も足を運ぶのです。

 海外旅行や国内旅行に関わらず、人が旅に出かける一番の動機は、非日常に身を置きたいという衝動です。普段とは違った環境の中で心と体をリフレッシュさせて、エネルギーが消耗する日常を乗り切るための気力を回復させることこそが旅の目的なのです。

 湯梨浜町内には旅人の願いを満足させる魅力が満載です。リフレッシュ効果抜群の温泉地が2か所もあります。食のみやこ鳥取県の地から提供される食事も心を満たすこと間違いありません。身近な所に絶景があり、グラウンド・ゴルフやウォーキングや魚釣りなど、家族や友人たちと楽しむことができます。ひとり旅を好む人にとっても、自分を見つめてエネルギーを充電できる環境が湯梨浜町にはたくさんあるのです。

 鳥取県の中央部に位置する湯梨浜町は満20歳を迎えました。県の東西を走る山陰自動車道も2年後には全通します。県の中央部から岡山県につながる高速道路も延伸がされています。美しい自然環境と豊かな食材に恵まれ、交通の利便性も高い場所に位置する湯梨浜町は未来に向けて大いに発展する可能性を秘めています。

 もし、よろしければ、2泊3日の内、1泊は農家民宿「梨楽庵」をご利用いただき、非日常をお楽しみいただけると、とてもうれしいです。

*東郷「湖」?東郷「池」?どっちなの?

 湯梨浜町の中央部に位置する汽水湖を、東郷湖と呼ぶ人と、東郷池と呼ぶ人がいます。これまでに、どっちが正しいのか話題になったことが何度もあります。

   昨年10月にNHKが現地取材を行ったネット情報によると、地元の漁業組合や場所の名前には「東郷湖」が多く使われていますが、地元に住んでいる人は「東郷池」と呼んでいる人が多いようでした。

 旅館組合の関係者の方に取材すると、「観光面では、ほぼ100%“湖”を使っています。“湖”の方がイメージがよかったり、規模感も伝わります。町内の二つの温泉地の“売り”は、 湖上の景色を楽しみながら温泉につかってもらうことなので、それをお客さんに伝えるには、“湖”の方が表現しやすいです」と答えていました。

 国土地理院の地図では、「東郷池」と表記されていました。その理由を尋ねると、「厳密に区別することは困難で、地図には、“その土地で呼ばれている名称”が記載されています。東郷池という名称は、合併する前の東郷町と羽合町の意見を聞いて決めました」と説明されていました。

 取材の中で、新たな発見がありました。何とおよそ200年前にこの地を訪れ、伊能忠敬が作成した日本地図には「東郷湖」と記されていたのです。残念ながら、この時の取材では伊能忠敬が「湖」を使った根拠はわからなかったようです。

 さらに取材は続きました。河川法によると、東郷湖(池)の管理者は鳥取県です。なので、県立公園の名称には「東郷湖」を使用していますが、池そのものを呼ぶ場合は「東郷池」と呼んでいるようでした。

「湖」なのか、「池」なのか。何と、2007年には県議会でも取り上げられたそうです。平井知事の「地元の意見を尊重したい」という意向をうけて、湯梨浜町は翌年、町内の全世帯を対象にアンケート調査を行いました。集計結果は、71.6%が「池」で、25.5%が「湖」でした。

 この結果をもとに、2008年11月号の広報誌で町は次のように報告しています。「町は正式名称を国土地理院による“東郷池”のままとすることとし、今後は特別な場合を除き“東郷池”を使用します。町は、団体などが“東郷池”または“東郷湖”のどちらを使用するかを強制しません。愛称としてどちらでも使用していただければよいと考えています。」

 つまり結論は、どっちを使用してもよい、ということでした。「湖」なの?「池」なの?話題となった当時からは、17年も時が経過しています。時間の経過とともに物事の経緯は忘れられてしまいます。風光明媚な東郷池(湖)の周囲をウオーキングに訪れる全国の人たちは、東郷湖(池)の周囲に設置された案内板や標柱を見ながら、今日も小首を傾(かし)げているのかもしれません。

*汽水湖…淡水と海水の中間の塩分を持つ湖沼のことをいいます。東郷湖(池)は橋津川を通して日本海とつながっています。そのために、海からの栄養分と池の栄養分が微妙に混ざり合い、特産の“しじみ貝”をはじめ、小ブナやエビなど豊富な魚介類が生育できる環境が生まれたのです。