農家民宿 梨楽庵ブログ

世界の素晴らしさとは?

梨楽庵

 大山の鍵掛峠の絶景に出合うことができました

   奥大山は知る人ぞ知る絶景スポットです

 温暖化のためにコスモスと出合うことができました

蒜山高原の見事な紅葉です。外は赤、中は黄色、そして、黄緑色もチラホラ

奥の方には大山が見えます。蒜山高原から大山に向かうドライブコースは全国的にみてもトップクラスだと思います

一の沢も絶景ポイントです。平日だったので、人も少なく、車を止めて撮影する人が多かったです

「大山まきばみるくの里」近くの絶景です。素晴らしい世界は確かに目の前にあるのです。鳥取県の自然に改めて感謝しています

 数か月前のことです。何気なくTVをつけると、作詞家であり様々な分野のプロデューサーとして著名な秋元康さんがアナウンサーの桑子真帆さんと元アイドル歌手で、現在は女優として活躍されている内田有紀さんの二人からインタビューを受ける番組が放送されていました。

 番組のテーマ設定と三人の組み合わせに興味を感じて視聴することにしました。「日本や世界で様々な出来事が日々起きています。この状況に対して秋元さんは、この世界は素晴らしいと思いますか?」と、桑子アナが問いかけました。秋元康さんは次のように答えました。

 素晴らしい世界って、遠くにあるもんじゃないと思うんですよ。自分には届かないとか、そうじゃなくて、僕はいつも今が一番素晴らしい世界だと思っているんですね。今、あなたが探している素晴らしい世界というのは、よく前を見てごらんと。そうすると、そこにヒントがいっぱいあってね。だから幸せというのは探すものではなくて、気づくもののように、素晴らしい世界っていうのも、どこか特別な場所にあるんじゃなくて、もう目の前にあるんですよ。でも、それに気づくか気づかないか。

 たとえば、すごく車が欲しい人がいるとします。そのほしい車が手に入った時の満足度と、すごく面白い小説を読み切った時の満足度は同じだと思うんですよ。だから、今日、バスタブにお湯をためて、そこで手足を伸ばした時に「ああ、最高に幸せだ」と思うかもしれないし。

 秋元さんは再び、二人に問いかけました。「よく言うのは、いくつくらいの頃に戻りたいかというような話をするじゃないですか。何歳の頃に戻りたいですか?」桑子アナは「高校生の時ですかね。つらいこともいっぱいありましたけど、私は吹奏楽をずっとやっていて、何かに一生懸命に打ち込むって尊い時間だったなあと、今思い返すと、そう思います」と、笑顔で答えられました。一方、内田有紀さんは「ないんです。私本当に戻りたくなくって。あえて言うならば、アイドル女優の時代に歌をもっと練習しとけばよかったなあと思うんですよ」と、苦笑いしながら答えていました。

 二人の発言を受け止めてから、秋元さんは持論を述べられました。「ほとんどの人が中学時代に戻りたいとか高校時代に戻りたいとかいうんですけど、本当に、よく考えてみてください。本当に中学の時に楽しかったのか、高校生の時に楽しかったのかと聞くんですよ。あの頃は退屈で早く大人になりたいとか、あの頃はもっと楽しいことがないかとか、だったじゃないですか。……。

 ということは、今も普通の生活を送っているけれど、これも十年後二十年後になったら、2024年に戻りたいなあと思っていると思うんですよ。そう考えると、僕らは今をどっかで気づいていない、見逃している何かがあると思うんですよ。だって、結局は、幸せとか素晴らしさなんてキープできないじゃないですか。

 今、目の前には素晴らしいものがありながら、私たちはその素晴らしいものを見逃しているのだと、秋元さんは穏やかな口調でしたが、力強い言葉で話されたのです。桑子アナは、「では、どうすればいいのでしょうか」とさらに問いかけました。秋元さんは即答されました。「だから、普通のことでもそれを面白いなあと思うか、ほんのちょっとしたことに気付けるかだと思うんです」桑子アナは「ということは、今のこの世界であっても素晴らしい種が落ちているのですね。今ある中にも素晴らしいことはたくさんあるのですね」と、納得顔で話されていました。

 秋元さんのインタビュー番組は続きましたが、スイッチを切り、考え込みました。しばらくすると、秋元さんの考え方が加藤登紀子さんの考え方と似ていることに気づいたのです。加藤登紀子さんは、毎週一言メッセージを某新聞紙に掲載されています。数年前のことですが、今も心に残っているメッセージがあります。「ニュースにならない普通の暮らしこそが主役なのよ。メディアが喜ぶのは、もめ事、アッと驚く事件、悲惨な出来事、そして戦争。世界をもうちょっと落ち着かせなきゃ!」

 加藤さんが言われるように、メディアは良いことにつけ、悪いことにつけ、派手で刺激的な出来事を切り取り大きく取り上げます。しかし、私たちの日々の普通の生活については、あたり前すぎて取材の対象にはなりません。でも、本当は、平凡かもしれませんが、私たちにとっては日々の普通の暮らしこそが最も大切な出来事なのです。

 しかしながら、私たちは普通の暮らしの中にこそ幸せがあるにもかかわらず、秋元さんが言われるように、それに気づかないだけなのかもしれません。そして、日本や世界で起こる衝撃的な出来事に心を惑わされ、日々目の前に起こる職務や懸案事項の処理に忙殺されて、普通の暮らしの中に落ちている幸せの種を見つけ育てる力を見失っているのかもしれません。世間で起きている出来事をただ見ているだけの観客に留まっていてはいけないのです。1回きりの人生の主役はいつも自分なのです。第二の人生をどう生きるべきなのか。貴重なヒントをいただけた秋元さんのインタビュー番組でした。