梨の小袋かけをしてホット一安心だワン!
梨楽庵
早朝はお家の前でお昼寝なんだワン!私のお家は入り口は反対側にあるんだよ。入口が中庭側にあると雨が吹き込んだり、冬には雪が入り込むので、お父さんが考えたんだよ。誰にもじゃまされないので、とっても落ち着く“リラックス小屋”なんだワン!
交配がうまくいくとたくさんの梨の赤ちゃんが育ちます。でも、全部に小袋はかけません。この中で梨の実を一つだけにする作業が“間引き”です。みなさんならどの実を残しますか?
姿かたちが良くて、軸足が長い実を選んで残します
小袋かけは梨の実の赤ちゃんを病気から守るために行います。やがて成長して、梨の実が大きくなって袋を破ってしまうと病気にかかったりカラスに食べられてしまうので、袋が破れる前に“大袋かけ”をします。
“間引き”の時に軸足の長い実を選ぶのは、軸足が短いと大袋がかけにくいからです。二十世紀梨は2回袋かけをするので作業が大変ですが、収穫できた梨を喜んで食べてくださる人たちの顔を思い浮かべながら毎年作業をしています
若葉に衣替えをした巨木の一本桜が果樹園を見守っています
“五月晴れ”と言いますが、今年の5月の青空は本当に真っ青な青空です。人類初の宇宙飛行士、ガガーリンは“地球は青かった”の名言を残したと言われています。旧ソ連の出身で、真っ青な青空を見ることが少なかった自然環境の中で育ったので、宇宙から地球を眺めた時の青色の美しさに衝撃を受けたからではないでしょうか。ガガーリンさん、日本では地球の中から美しい青色を眺めることができるんですよー
〈 リリーの気まぐれ日記 No.29 〉
今日は雨上がりの晴天、青空がきれいだワン!木々の若葉も水分をたっぷり吸って色鮮やか、気持ちの良い朝だワン!お父さんとお母さんは、果樹園に二十世紀梨の小袋かけに出かけたワン!例年と違って、今年の梨のお世話は大変みたいだったワン!
4月になって梨の花が開き始めると交配が始まるんだけど、晴れたと思ったら雨が降ったり、寒かったりで、交配が難しかったんだって。それでも開いた花から一つ一つ筆で花粉をつけて交配していったんだって。
今年は天候不順だったので、例年より交配期間が長くて、交配ができているのかなって心配しながら花粉をつけていたんだワン!交配9日目の最終日は良く晴れて、気温が20度以上になって梨の花は満開だったんだよ。
梨の花が「花粉をつけて!」ってお願いしてるみたいに、花びらをいっぱいに開いて花の蜜を出していたんだって。花粉をつけると、めしべに筆が吸い付くような感じがあって、交配ができたんだなって思ったよって、お母さんが言ってたよ。交配が無事に終わってよかったんだワン!
それから徐々に梨の実がふくらんできたので、やっと一安心したんだって。次は“間引き”と“小袋かけ”だなって思っていたら毛虫が大発生!梨の実をかじり始めたんだワン!
果樹園には、ゴールド二十世紀梨、王秋(おうしゅう)梨、愛宕(あたご)梨の3種類の梨の木があって、お父さんがあたご梨の実に小袋をかけようと行ってみると、毛虫にほとんどかじられていて例年の5分の1ぐらいしか残っていなかったんだって。お父さんは大ショックだったんだワン!
王秋梨も二十世紀梨も毛虫に食べられている実がたくさんあったんだワン!お父さんは大大ショックだったんだワン!それでもお父さんとお母さんは、毛虫に食べられていない実を探しながら小袋をかけていったんだよ。そうしたら、例年よりは少ないけど、ある程度の数に小袋をかけられたのでホット一安心したんだって。よかったワン!
気候の温暖化で、春が短くなって気温が高くなったり、今年のように一番大事な交配時期に気温の低い日が続いたり、毛虫が大発生したり、9月の収穫時期まで梨づくりは心配なことがたくさんあって大変だワン!
でもね、お父さんとお母さんは、楽しみながら梨づくりをしているんだって。お父さんのライバルは、イノシシとカラスだったけど、新たに毛虫が加わったけど、お父さんは負けないぞ!って言ってたワン!
梨づくりはいろいろ大変なこともあるけど、知恵を働かせて工夫したりするのが楽しいしおもしろいんだって。そして、おいしい梨が収穫できて食べた人たちに喜んでもらえたら、もっとうれしいって言ってたワン!私も梨が大好きだから、おいしい梨ができるように応援しているワン!