農家民宿 梨楽庵ブログ

山陰海岸ジオパーク(兵庫県北部①)

風景

   山陰海岸ジオスポットの「穴見海岸」

    一昨年の9月にホームページを立ち上げて以来、ブログを通して鳥取県内の見所を紹介しています。現地取材をもとに、書籍やネット等を活用してまとめています。時には、県立博物館や県立図書館などの公共施設にも通っています。

 主に鳥取県内の話題を取り上げていますが、私自身の興味関心次第では県外の見所も紹介しています。常に新しい発見を取り上げるのは難しいので、昨年までに取り上げた事柄も修正しながら再発信しています。

 今年の8月は、山陰海岸国立公園に含まれる夏の人気観光地、「浦富海岸」を3回取り上げました。浦富海岸は、これまでにも何度か訪れたことはあるのですが、遊歩道を再訪して陸側からの景観に感動し、観光遊覧船に乗って海側からの景観に圧倒され、初めて小型船遊覧を体験して、浦富海岸の風景美に魅了されてしまいました。

 美しい風景をただ眺めているのではなく、ブログ発信することが念頭にあったので、船頭さんの名ガイドにも熱心に耳を傾けていました。風景が発信する声なき声を捉えようと心がけたので、浦富海岸の魅力をお伝えできたのではないでしょうか。

 浦富海岸を調べているうちに、山陰海岸国立公園や山陰海岸ジオパークについてより一層興味がわいてきたのです。山陰海岸国立公園は、東は京都府網野海岸から始まり、西は鳥取砂丘までの約75㎞の範囲です。山陰海岸ジオパークは、鳥取県と兵庫県と京都府にまたがる山陰海岸国立公園とその周辺地域からなるジオパークです。

 山陰海岸ジオパークの範囲をもう少し説明すると、東は京都府京丹後市から始まり、西は鳥取県鳥取市までの、東西約120㎞、南北最大約30㎞にわたる広大な範囲です。鳥取県内では、浦富海岸地域と鳥取砂丘地域と浜村から青谷にかけての地域が認定されています。

 ブログ発信は原則、鳥取県内に決めていましたが、山陰海岸ジオパークに認定されている兵庫県や京都府はどんな場所なんだろう、出かけてこの目で見てみたい、との思いが日に日に強くなってきました。

 そんな思いを抱いていたある朝のことです。新聞を広げ、TV欄を眺めていると、「ジオ・ジャパン絶景100の旅」という番組欄が目に留まったのです。何を取り上げているのかな、TVをつけて番組内容を調べてみると、「山陰海岸」が取り上げられていたのです。予約録画をして、早速その夜視聴しました。

 番組では主に兵庫県の北部、但馬(たじま)地方が紹介されていました。但馬地方を訪れたのは、20年以上前に湯村温泉に2回出かけた時と、30年以上前に日本三景の一つ「天橋立」に行くために、延々と続く国道178号線をドライブした時だけでした。その頃は地質について興味関心はなかったので、くねくねと続くリアス式海岸の風景に目を向けることもありませんでした。

 番組では但馬地方の海岸風景が次々と映し出されていました。浦富海岸とはまた一味違った絶景海岸に目が釘付けになってしまいました。但馬地方の海岸にも日本列島が大陸から切り離された頃に形成された貴重な地質が残されていたのです。

 思い立つ日が吉日、よし、この目で見てこよう。令和6年8月下旬の平日の快晴の日、「いざ但馬!」と意気込み、一番の目的地を城崎温泉の近くにある“玄武洞”に定めました。玄武洞といえば、私たちの世代にとってはお菓子の「ロミーナ」が浮かんできます。

 TVコマーシャルで流れる「玄武洞のロミーナ」は、お洒落な名前が印象深く、私のこども心に焼き付きました。しかし、玄武洞=ロミーナであり、ジオパークとしての玄武洞とは長い間結びつきませんでした。

 浦富海岸のある岩美町の東浜ICを過ぎると、あっという間に兵庫県に入ります。しかし、山陰近畿自動車道はまだ全面開通していないので、居組(いぐみ)ICから浜坂ICまでは7.6㎞ほど一般道を走らなければなりません。

 面倒だなあ、と思いつつ、減速して居組ICを下りて、1分ほど走っていると、突然、海が見えてきたのです。何とそこは穴見(あなみ)海岸と呼ばれるジオパークの名所のひとつだったのです。展望所に駐車して沖合の風景を眺めると、確かに溶岩で形成された岩石海岸が広がっていました。

 案内板によれば、穴見海岸は、海底からマグマが噴出し、噴火が繰り返されて海底火山が形成されたそうです。その後に地殻変動によって海底が隆起し、海上に現れた安山岩などの溶岩が日本海の荒波によって削られて現在の姿になったそうです。穴見海岸については予備知識がなかったので、新鮮な感動を覚えました。

 浜坂ICからは城崎温泉のある豊岡市に向けて車を走らせたのですが、佐野ICから再び一般道を約10㎞走らなければなりません。高速道路の部分開通の不自由さを改めて感じました。しかし、但馬地方の地形を考えれば仕方ないのかもしれません。

 高速道路を走っていて気が付いたのですが、開通区間の大部分はトンネルでした。陸地が海側に迫るリアス式海岸地形なので、一般道はくねくねと曲がりくねった道でした。高速道路はスピードを出すために直線的に作る必要があります。なので、山を削ってトンネルを掘り続けるしか方法はなかったのです。(次回に続きます)