農家民宿 梨楽庵ブログ

大山隠岐国立公園②

風景

 中国地方の最高峰で標高1729mの大山は、国立公園に指定されて今年で89年になります。前回のブログで大山について紹介しましたが、その後も、範囲は拡大し、鳥取県と岡山県の県境にある毛無山(けなしやま)地域と国宝投入堂で有名な三徳山地域が国立公園に編入されています。

 つまり、大山隠岐国立公園は、鳥取県、島根県、岡山県の三つの県にまたがる国立公園なのです。しかも範囲が広いだけでなく、山あり、海あり、変化に富んだ海岸線あり、さらには島々があり、草原もあるという多彩な顔を持つ魅力満載の国立公園なのです。

 平成28年には、「地蔵信仰が育んだ日本最大の大山牛馬市」の文化的な価値が認められ、日本遺産に認定されました。三朝町の三徳山地域は「日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉」のキャッチフレーズで、「六根清浄と六感治癒の地」として鳥取県内では最初に日本遺産にも認定されました。

 富士山は既に世界遺産に認定され、全国各地から多くの登山客や観光客が押し寄せています。訪日観光客にも絶大な人気を誇っていますが、大山隠岐国立公園も世界遺産に相応しい価値のある宝物だと誇りに思っています。

 大山の東隣に「船上山」(せんじょうさん)という山があります。実は、船上山の周囲も大山隠岐国立公園の一部なのです。船上山は標高が約616mの低い山ですが、この地は歴史の教科書に取り上げられる古戦場なのです。

 鎌倉時代の末期、後醍醐天皇は二度も討幕を企てましたが、捕らえられ、流罪となり隠岐の島へ島流しになりました。しかし後醍醐天皇は隠岐の島から脱出して船上山に立てこもり、この地で幕府軍との間で激しい戦いが繰り広げられたのです。船上山の独特な地形は幕府軍を大いに苦戦させました。

快晴の日は、鳥取県側から隠岐諸島を見ることができます

 写真の断崖絶壁は屏風岩と呼ばれ、高い所で100m以上あり、幅は約600mあります。写真では捉え切れません。千丈滝(せんじょうたき)という名瀑があります。

 最初の写真が落差103mの雄滝、(おんだき)で、次の写真が落差90mの雌滝(めんだき)です。断崖絶壁を流れ落ちる左右の滝の景観は、滝の水量や季節によって異なりますが、鳥取県が誇る絶景の一つです。

          雄滝(おんだき)、落差103m

     雌滝(めんだき)、落差90m

 鳥取県内の多くの小学校は、断崖絶壁の麓にある「船上山少年自然の家」で1泊2日の宿泊研修を行っています。登山の登りは、天候が良ければ「正面登山コース」を登ります。

 時間的には30分から40分ほどで頂上にたどり着きますが、大小の石や岩がゴロゴロしていて、子どもたちにとっては結構つらい登山ですが、達成感が感じられる思い出深い登山になります。まだ、行かれたことのない方は、是非、ご家族で挑戦してみてください。

   船上山は琴浦町(ことうらちょう)にあります