浦富海岸島めぐり遊覧船②
風景

浦富海岸のシンボル「千貫松島」
さて、話が横道にそれてしまいましたので、網代港に戻ります。遊覧船は小型船に比べて船の揺れが少ないので、安心して遊覧することができます。今回は朝イチの午前9時30分に乗船しました。遊覧船には船室があるのですが、甲板からの遊覧をお勧めします。海風が心地よく、視界が開けて見えるので、海の上にいることが実感できます。
網代港を出ると船は大きく右に旋回し、しばらくすると、浦富海岸の代表的な島、「千貫松島(せんがんまつしま)」が見えてきます。千貫松島の由来は、江戸時代に遡ります。鳥取藩2代目藩主、池田綱清(つなきよ)が浦富海岸を舟遊びされた時、この島の景観にいたく感動され「この島と松を城内に移した者には銀千貫を与えよう」と話されたことに由来します。
それ以来、この松を「千貫松」と呼び、島は「千貫松島」と呼ばれるようになりました。初代の松は枯れてしまいましたが、今は2代目の松が当時をしのばせてくれます。
さらに進むと、「白粉の断崖(おしろいのだんがい)」が現れます。高さ約70mもある絶壁で、白く見える断崖は野生の鵜(う)の糞(フン)だそうです。ふ~ん。……。次には、「岩燕洞門(いわつばめどうもん)」が見えてきます。以前は洞窟の天井にイワツバメが巣をつくり、多くのイワツバメが飛び交っていたそうです。

白粉の断崖(おしろいのだんがい)

岩燕洞門(いわつばめどうもん)
乗船した日は少し波があったので、波が岩に当たると真っ白な白波が立ち上り、海の水のきれいさがより一層感じられました。浦富海岸を散策していると気が付きませんでしたが、遊覧船から陸側を眺めると、この付近の海岸線には、断崖絶壁続き、多くの洞門や洞窟を見ることができます。

どこまでも続く断崖絶壁に圧倒されます

あちこちに海食洞門や海食洞窟が見られます
遊歩道からの眺めは「日本海の宝石箱」なのですが、海からの眺めは、全く人を寄せつけようとしない荒々しさが強く感じられます。浦富海岸は、大自然が生み出した表と裏の2つの顔を持つ、地球上の、ここにしかない唯一無二の風景なのです。
遊覧船は鴨ケ磯(かもがいそ)海岸の沖合から城原(しらわら)海岸の沖合の島々を巡って進んで行きます。この辺りの海域は海中景観が特に優れているので「海域公園」に指定されています。海の透明度は高く、最高透明度は約25mです。

鴨ケ磯海岸の沖合は海域公園に指定されています
浦富海岸は沖縄の海に匹敵するきれいな海なのです。ここではダイビングやクリアカヌー、シーカヤックなどを楽しむことができます。近年、ボードの上に立ったまま乗り、オールを使って海上散歩ができるSUP(スタンドアップパドル)が大人気です。

岩燕洞門の中へ向かって進んでいます
城原海岸の景勝地の菜種島と菜種五島を一回りすると、遊覧船は大きく左へ舵を切り、スピードを上げて網代港へと向かいました。大海原に目をやると、水平線は緩やかに曲線を描いています。

菜種5島の中の3島です

5島の中の2島です。大昔、5島は一続きの陸でした
遊覧船のV字型の船底からは海水が切り裂かれ、真っ白な波が飛び散っています。西の方に目を向けると、鳥取砂丘の海側の砂地を遠望することができます。気候条件がそろうと、伯耆富士「大山(だいせん)」を見ることもできるのです。

しばらくすると遊覧船は無事に網代港に到着しました。およそ40分間の島めぐりは誰もが満足感を抱くことができる観光体験です。長時間のクルーズではないので船酔いの心配も少なく、大人から子どもまでファミリーで楽しむことができます。
“浦富海岸島めぐり”遊覧船は、鳥取県のイチ推しの海の観光体験です。営業期間は3月から11月までです。車を利用すれば、梨楽庵からはおよそ45分で到着できます。まだ一度も遊覧船に乗られたことがない方は、この夏に是非ともお出かけください。
