山陰海岸ジオパーク(夏泊海岸②)
風景

鳥取市青谷町にある夏泊海岸
夏泊海岸の海中は、荒波で削られた複雑な岩礁が広がっているので、サザエや岩ガキ、イガイなどの貝類が豊富に生息しています。尽きせぬ豊かな海の幸に恵まれた絶好の場所なので、夏泊海岸では素潜りの“海女漁(あまりょう)”が伝えられています。

岩ガキは鳥取県の夏の特産品です
この伝統漁法は400年以上の歴史があります。海女漁は山陰地方では唯一、夏泊で行われてきた漁法です。1950年代には30人近くの海女が活動していましたが、高齢化と後継者不足のために2013年には海女組合も解散を余儀なくされたそうです。
夏泊集落の起源は、何と豊臣秀吉の朝鮮出兵まで遡ります。秀吉の家臣だった鹿野(しかの)城主、亀井茲矩(かめいこれのり)が朝鮮へ出兵するにあたり、水先案内人を務めたのが筑前(福岡県)の漁師「助右衛門」という人物でした。
秀吉の死により朝鮮出兵は終わったのですが、亀井氏は助右衛門の漁師としての技量に惚れ込み、藩内の漁業の発展のために鳥取の地へと連れてきたのです。
助右衛門は漁の適地を求めて藩内を歩いて回り、夏泊の地を最適地として選びました。城主亀井氏は助右衛門に夏泊を免租地として与え、助右衛門は夏泊に網漁を伝え、助右衛門の妻は素潜りが得意だったので海女の技法を伝えたことが夏泊海女漁の始まりとされています。
伝統ある海女漁が途絶えることに危機感を感じた地域の方たちは、現在、「夏泊海女の会」を結成し、夏泊の海女の歴史とブランドを守るために活動をされています。昨年7月の地元紙の報道によると、3名の海女さんが新たに誕生しています。
夏泊は海女漁以外にも漁業が盛んで、白イカ漁の漁火(いさりび)は夏の風物詩となっています。夏泊の沖合には定置網が仕掛けてあり、獲れた魚は「夏泊朝市」で販売されていて、販売日は大変な賑わいのようです。

白イカの刺身は絶品です。梨楽庵では夕食にお出ししています
長尾鼻も夏泊も梨楽庵から15分ほどで行くことができます。ごく近くにありながら大人になってからも長い間、長尾鼻の存在も夏泊の存在もただ名前を知っているだけでした。
その素晴らしい価値には私自身が全く気付いていなかったのです。その当時、私の目はまだまだ遠くばかりを見つめていたからです。ブログを読んでくださった方は、次回鳥取の旅の計画をされる時には、山陰海岸ジオパークも組み入れてみてはいかがでしょうか。梨楽庵では、ご相談により、ご案内することもできます。
