農家民宿 梨楽庵ブログ

老舗和菓子店「京屋菓舗」②

風景

 もう一つの看板和菓子が“砂丘の風紋”です。砂丘とは、もちろん鳥取砂丘のことです。風紋とは砂浜にできる波状の縞模様のことです。風紋は砂が乾燥していて、風速毎秒5m~10mの適度な風が吹くと、砂浜に現れます。比較的大きな砂粒が波紋の尾根を作り、小さな砂粒が谷を作ります。

 鳥取砂丘は全国的な知名度があり、風紋もよく知られています。なので、「鳥取砂丘を題材に和菓子を作ってみよう」と、菓子職人さんなら考えることは想像できます。しかし、実際にどう作るかは、素人の私には全く思いつきません。

 梨楽庵の裏の浜です。ここにも風紋ができるのです

 調べて見ると、和菓子は大別すると3種類あり、含まれる水分量によって、生菓子、半生菓子、干菓子に分類されます。生菓子は水分量が30%以上、半生菓子は10%~30%、干菓子は10%以下です。水分量が少ないほど日持ちします。さらに材料や製造方法によって細かく分類されています。

 風紋は、“落雁(らくがん)”と呼ばれる干菓子です。落雁とは、米や麦、豆などの穀類から作ったでんぷん質の粉に水飴や砂糖などを混ぜて着色し、型に入れて押し固めて乾燥させて作ります。

 京屋菓舗さんでは、四国の香川県や徳島県で生産される「和三盆(わさんぼん)」と呼ばれる最高級の砂糖を使用し、玄米粉と梅エキスを加え、一つひとつ手作りし、きめ細かく、上品な甘さに仕上げられています。

 江戸時代以降、茶道の普及発展と共に和菓子の製造技術も急速に進歩したのではないでしょうか。全国各地の菓子職人さんたちは、その地域にしかない歴史や名所を題材にして、磨き抜かれた熟練の技を駆使し、楽しみながら心を込めて手作りされてきたのではないでしょうか。

 “砂丘の風紋”は鳥取県観光連盟推薦の和菓子で、第21回全国菓子博覧会裏千家賞及び第22回全国菓子博覧会名誉総裁賞を受賞しています。鳥取県が全国に誇れる和菓子の一つであることは間違いありません。

 上記のように、“砂丘の風紋”は“裏千家賞”を受賞しています。裏千家は千利休を開祖とする茶道の家元の一つです。つまり、茶席の和菓子として最適だということです。

 茶道では通常の2倍の量の抹茶を使用する「濃茶(こいちゃ)」の時には主菓子(おもがし)を合わせて出します。主菓子とは生菓子や半生菓子のことです。通常の分量を使用する「薄茶(うすちゃ)」の時には干菓子が出されます。ただし、茶道では明確な水分量の基準がないために半生菓子がだされることもあるようです。

 県外のお客様で次回、鳥取観光を計画された時には、お土産として“いなば山”と“砂丘の風紋”をお買い求めになられてはいかがでしょうか。“いなば山”は煎茶かコーヒーで、“砂丘の風紋”はご自身で抹茶を点てられてお楽しみください。

 お買い求めの際には、京屋菓舗に行かれてもよろしいですが、道に迷いやすいので、鳥取駅前の丸由百貨店(旧鳥取大丸百貨店)をお勧めします。生菓子以外の全商品を取り扱っています。その他、鳥取県東部地区の道の駅でも商品の一部を取り扱っています。