二十世紀梨の収穫①
梨楽庵

初収穫しました。終了と同時に、雨が降り始めたので運が良かったです
梨の栽培に本格的に取り組み始めて、今年で16年目になります。栽培歴が10年以上になると、ベテランの域に達して、梨栽培も楽になったのではありませんかと、お思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
違います。マンネリに陥る気持ちにはなりません。梨栽培にかかわらず、農作業は一年一年が勝負です。毎年自然条件が異なり、自作の梨栽培暦を作成していても、年により、一週間から10日ほど、作業日がずれることがほとんどです。
3年前のことです。餌(えさ)不足のためか、カラスの活動が早まりました。二十世紀などの青梨は、病気を防ぐために2回袋かけをします。1回目は5月にかける“小袋かけ”、2回目は6月にかける“大袋かけ”です。
通常は6月初めに大袋かけをして、梨の実が大きくなった7月上旬ごろ、カラスが大袋を破り梨の実を食べ始めるのですが、何と3年前は大袋をかけた直後から、袋を破り始めたのです。そのために、1ヶ月前倒しして、あわててカラス対策を行いました。
カラス対策は果樹園の全部に防鳥網をかけます。専業農家の方は栽培面積が広いので果樹園全部を覆うことはできませんが、梨楽園は梨の木の本数が多い所で5本なので、何とか覆うことができます。そのおかげで、カラスによる被害はなくなりました。

赤色が防鳥網、試行錯誤の結果、辿り着いた対策です
ところが、今年は1月下旬から2月上旬かけて大寒波が襲来し、湿った重い雪が降り積もり、梨の木の主幹から枝分かれした太い主枝(横に延ばす枝)が折れてしまったのです。初めてのことで、大変驚きました。
さらには、カラス対策のために果樹園を覆っていた防鳥網にも雪が積もり、通常なら雪は編み目を通り越すのですが、断続的に続いた3度の積雪のために、雪が編み目をふさいで網が垂れ下がり、花芽のついた枝をポキポキと折ってしまったのです。
果樹園の状況が気になり、降雪が収まった時を見計らい、様子見に行くことにしました。軽トラで行けるところまで行って、雪道を歩いて辿り着くと、上記の惨状が目に飛び込んできました。雪道を歩いて戻りながら、かなりの収穫減を覚悟しました。

軽トラではこの雪道を通ることができません

遠目ではわかりませんでしたが、近づいて見てビックリでした
梨農家の冬場の重要な作業は剪定と梨枝の誘引です。特に、花芽剪定によって果実をならせる花芽を残し、他の花芽は切り落とします。ところが、今冬は花芽のついた枝がたくさん枝折れしています。片付けながら、私の心の方が折れてしまいそうでした。
収穫量は5月になって小袋をかけてみないとわかりません。幸いなことに、梨の木の生命力のおかげで、通常よりも1割減で小袋かけを終えることができました。
しかし悩みの種は尽きません。2年前からは酷暑と雨不足が悩みの種となっています。これについては、有難いことに、梨楽庵の果樹園には小さな谷川が流れています。この谷川の水をタンクに貯めて、果樹園の地面の乾燥状況を判断しながら散水することができるのです。年中枯れることがない谷川があったからこそ、父母の時代には米づくりも行っていたのです。

小さな田んぼでは、自給用の米作りをしていました。手前のアルミの橋から奥は耕作放棄地でしたが、再開発し、イチジク畑や夏野菜づくりに活用しています。右隅に見えるのが、小さな貯水タンクです
( 次号へ続きます )
