農家民宿 梨楽庵ブログ

山陰海岸ジオパーク(兵庫県北部③)

風景

        玄武洞の正面の様子です

     玄武洞の左側の様子です

     玄武洞の右側の様子です

 玄武洞が国際的レベルで学術的に重要なのは、この地が「世界で初めて地球の磁場が逆転していた時代があった」ことが発見された場所だからです。1926年(大正15年)、京都帝国大学教授、松山基範(もとのり)博士は、約160万年前の火山噴火により流れ出た玄武岩が、現在の地球の磁場とは反対を向いていたことを発見したのです。その時代は「松山逆磁極期」(約260万年前~約77万年前)と呼ばれ、この発見は地球科学の発展に大いに貢献したのです。

 地磁気について学びをお伝えします。地球はひとつの大きな磁石としての性質を持っています。棒磁石のように、地球にもN極(南極にある)とS極(北極にある)があり、地球の周りには磁力の世界、「磁場」ができています。これを地磁気と呼んでいます。そして、地磁気の逆転とは、N極とS極が入れ替わることを言います。長い地球の歴史の中では地磁気の逆転が何度も起きているのです。

 案内板で学習しながら玄武洞公園内を見学し、小さな写真でしか見たことのない溶岩壁をカメラに収めたのですが、この景観から伝わる迫力は現地で直接見ない限りは伝えることができないと感じました。

 私より先に訪れていた一人の中年男性は、かなり長い時間、ずーと玄武洞を眺めていました。ここでしか見られない大自然が作り出した造形物に心を奪われ立ち去りがたかったのかもしれません。

 玄武洞を堪能し、昼食は豊岡市内の王将で、夏期限定の「マーボーなすラーメン」を食べました。予想以上に美味しかったので大満足でした。帰路は再び国道178号線をひた走り、トンネル続きの山陰近畿自動車道を突っ走り、浜坂ICを下りてひと休みしました。時計を見るとまだ午後2時前だったので、浜坂漁港の近くにある「新温泉町山陰海岸ジオパーク館」に立ち寄ることにしました。

 館内には様々な写真パネルや実物の岩石がたくさん展示されていました。ジオパークは自然遺産を保護するだけでなく、ガイドの育成やジオパークを活用した地域振興のための継続的な活動も重視しています。なので、展示物には工夫が凝らされ、地元の小中学生の学習の場としても活用されていました。

新温泉町山陰海岸ジオパーク館前の風景です。海に突き出た部分が「鬼門崎(きもんざき)」です

「鬼門崎(きもんざき)」は日本列島がまだアジア大陸の一部だったころ、火山活動でできた約7000万年前にできた流紋岩だそうです。約7000万年前の姿を見ることができるなんて、信じられません!

 日帰り日程だったので、ゆっくりと見学する余裕はなかったのですが、ジオパークを紹介する映像を2本視聴しました。鳥取県の岩美町にある「山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館」で視聴した映像も素晴らしかったのですが、こちらの映像も山陰海岸の魅力を十分に堪能することができる内容でした。視聴したことで、ますますジオパークについて興味関心が高まってきました。

 映像を見ると、ジオスポットを生で体験したくなってきます。浦富海岸では遊覧船で観光できたので、職員さんに尋ねてみたところ、浜坂漁港を出港し、但馬海岸を遊覧できる観光船が数年前まで営業していましたが、今は廃業してしまったそうです。もしかしたら、コロナ感染症の蔓延に伴う観光客の激減が影響したのかもしれません。

 遊覧船以外の方法はありませんかと尋ねると、3人から4人が乗船できる海上タクシーが営業していることを教えてくれました。翌日、連絡先に問い合わせると、確かに営業されていました。残念ながら営業期間は波が比較的穏やかな9月までということでした。

 海上タクシー乗り場は浜坂駅から30分ほどかかるそうですが、この夏にジオパークに目覚めた私としては、来年の夏に向けて新たな目標ができて今からワクワクしています。

 朗報です!令和6年9月12日(木)の地元紙に、山陰海岸世界ジオパークが再認定され、2028年まで継続することが決定したと報道されていました。7月に再認定の審査のために国連教育科学文化機関(ユネスコ)の審査員2名が鳥取県、兵庫県、京都府のジオサイトを視察していました。

 ユネスコの審査員が訪問した場所は、玄武洞(兵庫県豊岡市)と山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館(鳥取県岩美町)と鳥取砂丘(鳥取市)でした。私がこの夏にブログ作成のために訪れた場所と一緒だったので驚きました。9月8日~9日までベトナムで開催された第9回ユネスコ世界ジオパーク・カウンシルで審議され、再認定となりました。(注1)

3回シリーズの、なんとも長い山陰海岸ジオパーク但馬編になってしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございます。(注2)

  • カウンシルとは審議会の意味です
  • 3回の但馬編は令和6年度のブログを修正したものです。今夏、再訪したかったのですが、猛暑と日照り続きのため、果樹園の維持管理と体調を考慮し、断念しました