ホルモン焼きそば①
風景

今から20年ほど前、安い値段で庶民が気軽に食べられる料理を考案し、ご当地B級グルメとして地域おこしに活用しようという社会現象が全国各地に広がりました。バブル経済の時期に大都会で狂乱した超高級グルメブームに対する地方の反乱の意味が少なからずはあったのかもしれません。
平成18年(2006)、地域活性化を目的とする町おこしのためのイベントとして開催されたB-1グランプリは、B級グルメブームの火付け役となりました。近年、ブームは下火となりましたが、今なお、地方では観光客を呼び込むご当地グルメとしてアピールしています。
鳥取県のご当地B級グルメとして人気を博しているのが“牛骨ラーメン”です。牛骨ラーメンについては、後日、紹介する予定ですので、しばらくお待ちください。
牛骨ラーメンは、鳥取県中部地区と西部地区のご当地グルメですが、“ホルモン焼きそば”は、鳥取県東部地区で半世紀近く愛され続けているご当地グルメです。牛のホルモンが入った焼きそばのことで、入店すると、常連客は“ホルソバ”と一声かけて注文します。
昭和30年代に、鳥取市内の焼き肉屋やホルモン屋で、ホルモンと野菜を味噌ダレで炒めた後に、中華そばを入れて炒めてみると、想定外に美味しかったことがきっかけでお店の定番メニューとなり、庶民の味として根強い人気となっています。
鳥取市内のホルモン焼きそばの一番人気店は“まつや”さんです。令和元年(2019)11月22日、『孤独のグルメSeason8第8話』でTV放映されて以来、人気はうなぎ登り。カウンター席と畳の席がありますが、18人ほどで満席となり、週末は入店するのが困難です。
私は“まつや”さんのことは知りませんでしたが、TVで視聴し、松重さんが美味しそうに食べている姿を見て、ジュージューと鉄板で焼き上がる食材について、松重さんが心の中で語る一言一句に食欲をそそられました。

後日、妻と一緒に平日に出かけ、グルメ体験をしました。たまたま松重さんが座っていたカウンター席が空いていたので、ラッキーと思い着席しました。ホルソバはやっぱり美味しかったです。好みに応じて味噌ダレをつけて食べるのもこの日が初めての体験だったのでとても新鮮でした。

店内で食べているお客様は誰もが幸せそうな表情でした。“まつや”さんが人気店である最大の理由は、ホルソバが美味しいことですが、もう一つの理由は、一歩店内に入ると“昭和の時代にタイムスリップ”できることです。
もちろん、昭和の時代が全てバラ色だったわけではありませんが、人情味や温かさの密度は令和にはない昭和の持ち味だったように思います。なので、昭和感が色濃く残った店内で食事をすると、お値段以上のお得感が感じられるのです。是非、一度、“まつや”さんへ足を運んでみて下さい。お店の方たちも皆様のお越しを“まつや!”
