農家民宿 梨楽庵ブログ

エースパックなしっこ館

梨楽庵

 

 日本にここだけ、梨のミュージアム「なしっこ館」

 令和6年4月1日から、鳥取二十世紀梨記念館『なしっこ館』は、「エースパックなしっこ館」に名称が変わりました。食品容器の開発と製造を事業とする、大阪市に本社がある(株)エースパックが公募により鳥取県から命名権を獲得したからです。契約期間は、令和6年4月1日から3年間です。

 エースパックなしっこ館は、日本唯一の梨のテーマミュージアムとして、鳥取県中部の観光名所の一つになっています。しかし、観光バスで出かける場合はいいのですが、個人や家族で出かけようとすると、なしっこ館が倉吉市内のどこにあるのか、わかりづらいのが難点です。

 まずは最初に道順をご案内します。倉吉市内に通じる道路によって道順は異なるのですが、私はJR倉吉駅を起点に出発するのが一番わかりやすい道順だと考えています。JR倉吉駅の正面から見て、南に真っ直ぐ通っている県道を3分ほど車で走ると、県道は大きく右側に曲がります。

 すると、右斜め前方に倉吉消防署が見えてきます。緩やかな坂を上りきると交差点にさしかかり、一級河川の天神川が左から右へと流れています。天神川に架かる竹田橋を渡りはじめると、右斜め前方には伯耆富士「大山(だいせん)」が見えてきます。冬には冠雪の大山が輝いて見えます。

 目線を左斜め前方に向けると、富士山の形をした倉吉市のシンボル、打吹山(うつぶきやま)がくっきりと見えます。私は個人的には、竹田橋を渡り始めた時の風景が大好きです。手前には天神川、向う岸に広がる倉吉市の旧市街地、左手には打吹山、右手奥には冠雪の大山。見事な構図です。

 竹田橋を渡りきり、交差点を突き抜け、正面に見える堂々とした打吹山をめざして走っていると、左手に空に向かって突き出た赤茶色の柱とガラス張りで建てられた「エースパック未来中心」が見え隠れします。

  大ホールのある「未来中心」と隣接しています

 入り口を確認しながら、左折してゆっくりと車を走らせていると、エースパックなしっこ館に到着します。岡山方面や山陰自動車道を利用して倉吉市内に向かわれる方は、ナビをご活用ください。

 エースパックなしっこ館は、建物は梨型で『なしっこ館』の愛称で呼ばれています。受付を済ませて館内に入ると、シンボルツリーの二十世紀梨の巨木が天井から迫ってきます。樹齢100年を超えるこの巨木は、枝の広がりが20mもあり、約4000個の梨を実らせていたそうです。

  『なしっこ館』では、鳥取県の梨作りの歴史や日本や外国の梨のことなど、何でも学習することができます。館内を一回りすると梨の知識で頭の中が一杯になります。私は取材を通して始めて知ったことがあります。

  8月上旬から収穫できる日本梨が展示されています

 洋梨などの外国の梨もたくさん展示されています

何と、日本ナシには、肥満解消、便秘解消、高血圧・脳卒中予防、気管支炎予防などの効用があるそうです。特に、食物繊維が豊富に含まれているため、急激な血糖値の上昇を抑え、コレステロールを正常にする働きがあり、糖尿病や心臓病の予防に効果があるそうです。

 子どもたちにとって『なしっこ館』の1番人気は、1年中いつでも3種類の梨の食べ比べができることです。鳥取県内の企業が開発した氷温技術によって保存することで、年間を通して梨を食べることができるようになったからです。

    梨の食べ比べが観光客に大人気です

 3種類の梨が2切れずつ、重ねて入っています

 氷温とは、冷蔵でも冷凍でもない温度を厳密に維持する最新の技術です。この技術を活用すると、食品の保存期間を大幅に延ばし、美味しさや糖度を高めることができます。

 氷温は、鳥取県で二十世紀梨を保存する技術を研究する中で発見されました。梨はマイナス0.5度で氷温保存されています。

 驚くことに、鳥取市青谷町の青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡で発見された弥生人の脳も氷温技術によって鳥取県立博物館の地下室で保管されているのです。

 現在、この氷温技術は食料品分野を中心に広範囲に活用されています。令和6年段階で、氷温食品として認定されたのは900品目に達しています。

 昨春、なしっこ館のすぐ隣に「鳥取県立美術館」がオープンしました。全国47都道府県で最後発の美術館です。ウォーホル作「ブリロの箱」の所蔵とその購入金額が全国的な話題となりました。初年度は次々と多彩な企画展示が行われ、好スタートを切りました。

正面からの景観です。芝生の広場ではイベントが行われます

  未来中心大ホールのすぐ東隣にあります

 入館者は県内客が中心ですが、県外からお越しになられた旅行客の皆様も、なしっこ館で鳥取県特産の梨を味わった後には、全国で最も新しい県立美術館を訪れ、芸術鑑賞で目と心を満たされてはいかがでしょうか。

 なお、「エースパックなしっこ館」へは、車を利用すると、梨楽庵から約25分で到着します。私自身が梨づくり15年の経験がありますので、梨について質問がある場合は、どうぞ、お気軽に声をかけてください。