大山は何と読むのですか?①
梨楽庵

中国地方の最高峰は「大山」(標高1,729m)

大山は、鳥取の鳥の字のすぐ左側です
“大山”という文字を見たとき、みなさんは何と読まれますか?私は「だいせん」と即答します。地元の小学校に入学し、校歌を歌うようになって以来、私にとって「大山」は“だいせん”だったからです。
母校の校歌は、「♪青空に澄む大山の♪峰をはるかに望みつつ♪」で1番の歌詞が始まります。今から38年前の昭和63年に建設された現在の新校舎からは見ることはできませんが、移転する前の木造の旧校舎からは、確かに「だいせん」の山頂付近を仰ぎ見ることができたのです。
小学校で6年間学び、数えきれないくらい校歌を歌っていると、卒業して何十年が経過していても、「青空に澄む大山」の雄姿は、歌詞やメロディーとともに、心の中に鮮やかな映像として残っているのです。大人になってからも、私にとって「大山」は“だいせん”だったのです。
ところが、7年前に「大山」を“だいせん”と呼ばない人との出会いがあったのです。7年前の晩秋に夫婦で東ヨーロッパ3か国を巡る旅に出かけました。その時のツアーでご一緒したご夫婦と会食の際、何度か親しくお話しする機会がありました。
お酒が入り、会話が弾むと、お国自慢が始まります。「鳥取県の観光名所の一つが、「大山(だいせん)」で、富士山の形をしているので「伯耆富士」と呼ばれているんですよ」と、私が話し始めると、相手方の奥さんが「“だいせん”って、どんな文字を書くんですか?」と聞かれたのです。
「大山(だいせん)は大きな山と書きますよ。当たり前のことを何で聞かれるのかなあ」と怪訝(けげん)に思いながらも、人差し指で「大山」と書き示しました。「あ!大きな山と書くのですか。私たちのところでは大山と書けば“おおやま”と呼ぶのですよ」「え!本当ですか!鳥取では大山は“だいせん”と呼ぶのですが。お住まいはどちらですか?」「はい。神奈川県ですよ。地元では“おおやま”は誰もが知っている有名な山なのですよ」
この時、人生で初めて「大山」を“おおやま”と呼ぶ人たちが日本に住んでいることを知ったのです。しかし、無事にツアーを終えて帰国してからも、神奈川県の“おおやま”について調べることもなく、月日だけが過ぎていました。
( 次号へ続きます )
