農家民宿 梨楽庵ブログ

水木しげるロード①

梨楽庵

  境港駅と水木しげるさん執筆中のブロンズ像

 鬼太郎とねずみ男が水木先生を見つめています

    境港駅前の街灯は「目玉おやじ」です

     境港駅前駐車場が近くて便利です

「ゲッゲッ ゲゲゲのゲー 朝は寝床で グーグーグー たのしいな たのしいな おばけにゃ 学校もしけんも なんにもない ゲッゲッ ゲゲゲのゲー みんなで歌おう ゲゲゲのゲー 」私のこどもの頃は、TVアニメの全盛期でした。

 「鉄腕アトム」「オバケのQ太郎」「巨人の星」「あしたのジョー」「サザエさん」など、取り上げればきりがありません。TVアニメが大人気となると同時に、アニメの主題歌も大ヒットしたのです。

 大人気だったアニメソングの中でも私の脳裏に強烈な印象を与えたのが、「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌でした。冒頭の「ゲッゲッ ゲゲゲのゲー」で、まず一撃を食らいました。

 一体何なんだこの歌は!「ゲッゲッ」とは鳥取の方言で、驚いたときに発する言葉です。さらに「ゲゲゲ」とは、驚きを強調する言葉です。最後の「ゲー」は、驚きをより一層強調する言葉なのです。つまり、「ゲッゲッ ゲゲゲのゲー」とは、驚きを表現する最強度の言葉の使い方なのです。

 作詩をした漫画家の水木しげるさんは、どうしてこのような言葉で驚きを表現したのでしょうか。それは驚くはずです。おばけの世界には学校もないし、試験もないし、嫌なものはなんにもない、のですから。

 朝が来ても、いつまでも寝ていても誰からも文句は言われないのですから。楽しくって、楽しくって仕方がないのですから。だからこそ、驚いたときに使う言葉を地元の方言を使用することで最高の喜びを表す意図があったのにちがいありません。

 鳥取県の観光地の知名度NO.1は、鳥取砂丘です。梨楽庵に民泊した大阪や兵庫県の修学旅行生に「鳥取県で知っている観光地はどこですか?」と尋ねると、ほぼ100%が鳥取砂丘と答えます。しかし、今、鳥取県内で最も集客力のある観光地は、境港市にある“水木しげるロード”なのです。

 地元紙によると、令和6年7月29日に、境港市は令和6年の入り込み客数が令和5年より約一か月も早く、100万人の大台を突破したことを発表しました。令和6年4月に「水木しげる記念館」がリニューアルオープンしたことと、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の大ヒットが相乗効果を発揮したようです。

 漫画家、水木しげるさんの名前を冠した「ロード」は、どのような経緯で人気観光地となったのでしょうか。少しだけ情報を入手してからお出かけするのもよいかもしれません。

 境港市は、西日本有数の水揚げ高を誇る境漁港を中心に発展してきました。ところが、不漁による漁獲量の減少と郊外に進出した大規模小売店の影響を受け、かつては繁栄した中心商店街も客足がまばらな「シャッター商店街」になっていたのです。

 境港市では中心市街地の活性化のために、平成2年(1990年)に公開討論会を開催しました。討論会に参加されていた境港市出身の漫画家、水木しげるさんが、「自分の作品を街中に置いてはどうか」と提案されたのです。

 すると、「人通りの少ない商店街に妖怪の像を置くとさらにイメージが暗くなる」などと、商店街の人たちや市役所職員の中からも反対意見が出されたのです。

しかし、3年間の議論を経て、平成5年(1993年)、商店街に23体の妖怪ブロンズ像が設置されて「水木しげるロード」がオープンしました。

 漫画「ゲゲゲの鬼太郎」に登場するキャラクターのブロンズ像が、境港市の商店街に設置されたという出来事は、全国的な話題としてニュースで何度も取り上げられました。

 そして、オープンして三日後のことでした。妖怪ブロンズ像が盗難にあうという信じられない事件が発生したのです。この事件がトップニュースとなり、結果的には「水木しげるロード」の注目度が高まったのです。

 境港市は「水木しげるロード」こそ、町おこしの、地域おこしの起爆剤と考え、矢継ぎ早に斬新な企画を立てたのです。「世界妖怪会議」「妖怪盆踊り」「妖怪そっくりコンテスト」「妖怪川柳コンテスト」などなど…。さらには、「妖怪神社」をつくり、平成15年(2003年)には10周年記念として「水木しげる記念館」をオープンさせたのです。

 ( 次号へ続きます )